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2014年09月17日

スマニュー、グノシーは世界で勝てるか 米大手ディグCEOに聞く


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出典: Digg

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 日本生まれのニュースキュレーションアプリ「SmartNews(スマートニュース)」や「Gunosy(グノシー)」は海外進出は成功するのか。キュレーション戦争が激しい米国の大手「digg(ディグ)」のアンドリュー・マクローリン最高経営責任者(CEO)の来日にあわせ、インタビューした。

diggのアンドリュー・マクローリンCEO=古田大輔撮影

diggのアンドリュー・マクローリンCEO=古田大輔撮影

 2004年設立のディグは競争に敗れて一時はユーザー数が激減した。しかし、2012年に米ベンチャーキャピタル「Betaworks(ベータワークス)」に売却され、再び急成長している。 CEOに就任したマクローリン氏は数多くのスタートアップを育ててきたベータワークスのパートナーでもあり、オバマ政権でインターネットやイノベーション政策のアドバイザー役も務めた。

アルゴリズムだけじゃ駄目

 --ディグの現在の利用者数を教えてください。
 「ウェブとモバイルの合計が月間800万~1千万人です。私たちが始めたときが100万以下、1年で200万に増え、その後も増え続けています」
 --ディグの特徴はなんでしょう。競合はどこになりますか。
 「特にここが競合だというサービスはありません。ニュースを得ることができる手法は、すべて競合だと言えるからです。ディグが他と違うのは、フロントページの編集に関する最終的な判断を人間が下すことです。同時に、別のツールも次々とローンチしています。ディグ・ディーパーは、ユーザーの友人がどれが面白い記事かをユーザーに教えてくれます。これは、ユーザーのツイッターフィードをアルゴリズムで分析しているんです。ディグ・リーダーはあなたが選ぶニュースソースからすべての記事を選んできます。こういった様々なツールの組み合わせは他のサービスには存在しません」

diggのアプリ。左から人が編集するトップページ、ディグ・ディーパー、ディグ・リーダー

diggのアプリ。左から人が編集するトップページ、ディグ・ディーパー、ディグ・リーダー

出典: digg

人間こそ興味深い記事選べる

 --アルゴリズムのキュレーションだけでなく、人間が編集する理由は。
 「編集に人間の見方が入った方が、最終的に良い判断が下せるからです。米国にも日本にもアルゴリズムを使った様々なツールがあります。アルゴリズムで新しい記事を集め、ランクづけし、ユーザーに届ける。しかし、一般的にそれほど良い働きはしません。同じようなものが多くのサイトに載っている。そこに人間の判断が加われば、そのときに人気の記事だけでなく、例えば、昔の記事だけれどもその日に何らか読む理由がある記事をトップページに置くことができる。これはコンピューターにはできません。同じ話題について書いてある50本の記事から、最も笑える記事を選ぶこともできない。人間であれば、大ニュースだけでなく、目立たない出版や大手ではないブログからもニュースを見つけられます」
 ――編集者は何人いるんですか。
 「編集チームは6人です。チーフはしばらくハフィントンポストに所属したことがありますが、全員、ジャーナリストとしての訓練を受けたことはありません。第一段落はこう書くとか、文法がどうとか、そういうことに優れているわけではありません。我々は、何が面白いのかということを判断できるセンスを持つ人間を雇っているんです。おそらく、エディター(編集者)よりは、キュレーターという言葉を使った方が良いでしょう。キュレーターの仕事は面白い記事を選ぶことです。800万人のユーザーに、話しかけるようなものです。ガジェット好きでニュースを良く読む知的層。そういった人たちにアピールする記事を取り上げるようにしています」

マクローリン氏が信じる最も重要な公式「人間+アルゴリズム>人間またはアルゴリズム」

マクローリン氏が信じる最も重要な公式「人間+アルゴリズム>人間またはアルゴリズム」

出典: 講演資料より

キュレーションと報道は違う

 ――笑える記事は別として、政治や経済に関して偏りのない記事を選べますか。
 「私たちは中立であろうとしていません。中立であることは別の仕事です。報道機関じゃありませんから。もし、単にニュースを届けるだけだったら、CNNやニューヨーク・タイムズと何の違いもない。私たちはそういったニュースサイトとは違う存在であろうとしています。ただひたすら興味深いものであることを目指しています」
 --報道機関との違いとは具体的になんでしょうか。
 「私たちは、世界でいま何が起こっているのかを示そうとしていません。ディグの仕事は、最も興味深い記事やビデオをユーザーに届けることです。『興味深い』というのは、いろいろ定義できますが、知的な人が読みたいと思うようなものです。インターネットは雑音が多く、感情的で、あまりにも多くの記事やブログ投稿やツイートであふれています。ディグの仕事は、それらから興味深い記事を抽出することです。キュレーターが選んだり、ディグ・ディーパーであなたの友人がお勧めしている記事を届けたり。報道機関が、今日一番重要なニュースはシリアでの爆撃と言ったり、来月の選挙と言ったりするのとは違います。ディグが選ぶ今日一番の記事は、野球記事かもしれないし、政治記事かも知れないし、先週、実際にそうだったのですが、寿司の食べ方の記事かも知れない。重要なのは記事のテーマではなく、記事の品質なんです」

「diggはインターネット上の最も興味深いストーリーやビデオをリアルタイムに届ける。用いるのは、編集者、リアルタイムデータ、そしてソーシャルアルゴリズム」

「diggはインターネット上の最も興味深いストーリーやビデオをリアルタイムに届ける。用いるのは、編集者、リアルタイムデータ、そしてソーシャルアルゴリズム」

出典: 講演資料より

スマニューとグノシーにはイノベーション必要

 --和製キュレーションのスマートニュースやグノシーに米国での勝算はありますか。
 「グノシーは米国版が出てますね。私のスマートフォンにも入っています。スマートニュースも使ってみたことがあります。勝算はあると思いますが、イノベーションが必要でしょう。米国の他のニュースリーダーとは異なる何かを作り上げないといけません。アルゴリズムで記事をキュレーションします、だけでは、とくにユニークじゃない。たくさんの他のサービスも同じことをしていますから。はっきりとこれは違うという何かを作り上げないといけない。彼らはすぐれているし、資金力もあります。私は彼らが何か興味深いことをするだろうと確信しています。もちろん、これからの動きに注目しています」

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