スケートを始めて間もない9歳のとき、父を亡くしました。「パパは絶対、空から見てくれてる」と思って、自然に空を見上げていました。ジュニアの頃からは「ジャンプするときはパパが絶対、上から引っ張ってくれる。美姫がこけないように」って思いながら滑っていました。
つらいとき、人は下を向きがちです。でも空を見ると顔が上がりますよね。空には色々な顔があります。晴れていたら気持ちが高まったり、雨だったら「自分のために空も泣いてくれてる」と思ったり。
海外でホームシックになることもありましたが、「この空は世界中つながっているんだな、一人じゃないんだな」と思いました。この言葉は、子育てやスケートだけでなく、人生においてつらいときに思い出しています。
プロスケーター・安藤美姫(26)
朝日新聞デジタル