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さだまさしの歌からは想像できない 爆竹炸裂、過激な長崎の精霊流し
みなさん、今年は田舎に帰りましたか?お盆の長崎の伝統行事「精霊流し」は、さだまさしさんの歌のイメージと違い、とても賑やかな行事です。「あまり知らない」という方には意外と思える動画をごらんください。
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みなさん、今年は田舎に帰りましたか?お盆の長崎の伝統行事「精霊流し」は、さだまさしさんの歌のイメージと違い、とても賑やかな行事です。「あまり知らない」という方には意外と思える動画をごらんください。
みなさん、今年は田舎に帰りましたか?筆者の郷里、お盆の長崎の伝統行事「精霊流し」は、さだまさしさんの歌のイメージと違い、とても賑やかな行事です。「あまり知らない」という方には意外と思える動画をごらんください。(写真・動画はすべて朝日新聞から)
「 ちゃんこんちゃんこん」と鐘を鳴らし「どーい、どい」というかけ声をかけながら、精霊船をひいて(押して)いきます。周囲を歩く人たちは爆竹を鳴らし続けます。いちいちほぐしたりしません。手に持った束に火をつけ、「バババババーーーー!」と鳴らします。導火線を真ん中によせて、箱ごと鳴らすことも。
耳に綿を詰めていますが、終わって外してもしばらく耳鳴りがしてるような感覚。コンビニのレジには観客用に耳栓が売ってあったりもします。
精霊船が通った後の道路には、爆竹のかすが雪のように積もります。
みんなでお掃除。
ではなぜ、さださん(当時グレープ)の歌はあんなにもの悲しいのでしょう。歌い出しの「去年のあなたの想い出が~」のあなたとは、さださんの同い年のいとこ。21歳で海の事故で亡くなりました。「精霊流し」は、その死をうたった歌なのです。さださんの歌「椎の実のママへ」でも「僕は彼の為に唄を作った」という詞に続き、精霊流しのイントロが流れます。
歌の「精霊流し」は、女性が亡くなった恋人を精霊船で送り出す初盆の情景。もの悲しいのはそのためです。何も知らない小さな弟が「お祭り」気分ではしゃぎまわるなか、華やかに精霊流しが行われる様が描かれています。
明るく、うるさいほど賑やかなのですが、そこには1年間で亡くなった人を弔うリアルさもあります。地元TVでは夜中に録画中継番組があり、次々と通りをひかれる船を映しながら、1年間の故人や出来事を振り返ったりもしています。
病院の船には、その病院で1年間にお亡くなりになった方々への想いも込められています。
2007年4月に銃撃事件で犠牲になった伊藤一長・前長崎市長を送る精霊船。
2013年5月に亡くなった全国被爆体験者協議会長の小川博文さんを送る精霊船。
故人を賑やかに送り、迎える長崎では、夏の夜にお墓に行って花火をする風習もあります。明るさと寂しさが同居する、長崎のお盆の話でした。