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【講評】たのしいジジネタンカ 笹公人選「アイスバケツチャレンジ」
時事ネタを短歌に変換する「たのしいジジネタンカ」。題「アイスバケツチャレンジ」で募集した作品について、歌人の笹公人さんの講評です。
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時事ネタを短歌に変換する「たのしいジジネタンカ」。題「アイスバケツチャレンジ」で募集した作品について、歌人の笹公人さんの講評です。
時事ネタを短歌に変換する「たのしいジジネタンカ」。題「アイスバケツチャレンジ」で募集した作品について、歌人の笹公人さんの講評です。
テレビ番組の企画で大量に食材を使用したり、食べ物を粗末に扱った時に、
「この後スタッフがおいしく頂きました」というテロップが出ますが、
氷に関してはスルーなのか?という素朴な疑問が詠み込まれています。
人が頭からかぶって地面に落ちたあとの氷など、「かき氷」にしたとしても食べたくないですねぇ。
それこそスタッフ(AD)への虐待行為のように思います。
アイスバケツチャレンジを実行した中山さんの歌です。
ふんどし一丁でチャレンジした中山さんの動画をたまたま拝見しましたが、迫力がありました。
本気でALS患者の力になりたいという想いが伝わってきて、イベント自体を見直す部分もありました。
しかし、この歌では、チャレンジした本人でさえも何かモヤモヤが残ったという、勇気ある告白をしています。
「サムい」がダブルミーニングになっているところがよかったです。
数々のセレブたちによるアイスバケツチャレンジの動画が出回りました。
一部のセレブの人の動画から「セレブから指名されちゃう俺ってやっぱりセレブ」という
「まんざらでもない感」を感じとった人もいるでしょう。
そんな作者の違和感が「つくり笑い」という言葉に集約されています。
この動画の数々、数年後に見返したら文字通り凍りついてしまうかもしれませんね。
笹 公人(ささ・きみひと)
1975年東京生まれ。歌人。「未来」選者。
歌集に『念力家族』、『念力図鑑』、『抒情の奇妙な冒険』。
他に『念力姫』、『笹公人の念力短歌トレーニング』、
絵本『ヘンなあさ』(本秀康・絵)、和田誠氏と共著 『連句遊戯』、
朱川湊人氏との共著 『遊星ハグルマ装置』など。
イラスト・杉木ヤスコ
「たのしいジジネタンカ」は次回からお休みさせていただきます。投稿していただいた皆さん、ありがとうございました。