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【祝優勝】大阪桐蔭、強さの秘密 選手も学校も、みんなすごかった

夏の甲子園で2年ぶり4度目の優勝を果たした、大阪桐蔭。振り返れば、強豪校として貫禄勝ちですた。強さの秘密を探りながら、この夏の激闘を振り返ります。

優勝を決め、笑顔でスタンドに向け駆け出す大阪桐蔭の選手たち
優勝を決め、笑顔でスタンドに向け駆け出す大阪桐蔭の選手たち 出典: 朝日新聞

目次

 第96回全国高校野球選手権大会(朝日新聞社・日本高校野球連盟主催、毎日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)は25日、第14日を迎え、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で決勝が行われ、大阪桐蔭が三重を破り、2年ぶり4度目の優勝を果たした。
大阪桐蔭が2年ぶり4度目の優勝 三重に4―3:朝日新聞デジタル
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 振り返れば、強豪校として貫禄勝ちの大阪桐蔭。
 強さの秘密を探りながら、この夏の激闘を振り返ります。

【三重―大阪桐蔭】7回裏大阪桐蔭2死満塁、中村は中前2点適時打を放つ。捕手中林=諫山卓弥撮影
【三重―大阪桐蔭】7回裏大阪桐蔭2死満塁、中村は中前2点適時打を放つ。捕手中林=諫山卓弥撮影 出典: 朝日新聞

ピンチ!大阪大会で主将が骨折

 大阪大会で3連覇を狙う大阪桐蔭が、春季府大会3位の大冠との3回戦でアクシデントに見舞われた。1回、主将で1番打者の中村が死球を受けて鼻を骨折し退場。重苦しい雰囲気のなか、4回までに4点を奪われた。3番を打つ副主将の香月が「中村がいない分、みんなでしっかりやって次につなげよう」と声を出し、中盤に打線が奮起。5、6回に計7点を奪い、逆転した。中村の今後の出場は難しそうだが、西谷監督は「ここが力の見せどころだと思う」。=舞洲
大阪桐蔭、主将が骨折退場 奮起の逆転勝利 大阪大会:朝日新聞デジタル

2年生が奮闘、主将の穴を埋める

 ■主将に代わり出場→大活躍 大阪桐蔭・青柳昴樹君
 大阪桐蔭は、前日の大冠戦で鼻に死球を受けて退場した中村誠主将(3年)に代わり、2年生の青柳昴樹君が左翼手で先発出場。本塁打を含む3安打4打点と活躍した。
 一方の中村君は病院で治療を受け、この日は鼻にテーピングをしてベンチ入りした。本塁打の青柳君をハイタッチで出迎え、「よく打ったと思うが、同じポジションを争うライバル。いずれスタメンの座は返してもらいますよ」と笑った。
阪南大、痛い牽制死 第96回高校野球大阪大会(2014年7月24日):朝日新聞
【大阪桐蔭―阪南大】7回に2点本塁打を放つ大阪桐蔭の青柳昴樹君=万博、加藤諒撮影
【大阪桐蔭―阪南大】7回に2点本塁打を放つ大阪桐蔭の青柳昴樹君=万博、加藤諒撮影 出典: 朝日新聞

一貫して発揮、「振り切る力」

 大阪桐蔭は強力打線で他校を圧倒した。計8試合で99安打を放ち、チーム打率は3割8分1厘を記録。総得点は「67」を数え、1試合平均8点以上をたたき出した。昨夏の決勝と同じ顔合わせとなった準決勝の履正社戦では試合前、先攻後攻を決めるジャンケンで、あえて先攻を選び、初回に打者一巡の猛攻で5得点。相手の機先を制して流れをつかんだ。決勝のPL学園戦でも2回に5点を奪い、終始優位に試合を進めた。
大阪桐蔭、圧倒99安打 第96回高校野球大阪大会・顧みて(2014年8月1日):朝日新聞
【敦賀気比―大阪桐蔭】5回表敦賀気比1死一、二塁、中本は右越え適時二塁打を放つ。投手福島、捕手横井=諫山卓弥撮影
【敦賀気比―大阪桐蔭】5回表敦賀気比1死一、二塁、中本は右越え適時二塁打を放つ。投手福島、捕手横井=諫山卓弥撮影 出典: 朝日新聞
 中村剛也(西武)や中田翔(日本ハム)らプロで主軸を張る打者が多く輩出する大阪桐蔭。その教えはシンプルだ。「早めに準備して自分から仕掛けろ」。西谷浩一監督はプロへ羽ばたいた選手の共通点を「初球から強く振っていける打者だった」と語る。
 桐蔭では、カウントを1ボール2ストライクに設定して実戦形式のシート打撃を始めることが多い。「追い込まれた状況。しかも、それまでの配球に脈絡もないから来た球に対応するしかない」と監督。どんな球にも反応する力が身につくという。
(4番になりたい)振り切れ、堂々と 仕留める、どんな球でも 月刊高校野球5月号(2014年5月20日):朝日新聞
大阪桐蔭の西谷浩一監督。強豪校を率いる指揮官の貫禄がにじみ出る=筋野健太撮影
大阪桐蔭の西谷浩一監督。強豪校を率いる指揮官の貫禄がにじみ出る=筋野健太撮影 出典: 朝日新聞

執念の対戦校研究と基礎練習

 1年前の夏。大阪桐蔭は明徳義塾に1―5で敗れた。2年生だった岸に直球で内角を突かれ、8安打1得点に抑えられた。峯本と香月は昨夏のメンバー。今春の選抜出場も逃し、打撃の基礎から見直した。「打てなかった内角をずっと練習してきた」と香月。1年間、2人の胸には悔しさが宿り、頭の中にはずっと岸がいた。
大阪桐蔭「リベンジ」完結 内角攻め克服 高校野球:朝日新聞デジタル
【大阪桐蔭―明徳義塾】1回表大阪桐蔭1死二塁、香月は右越えに2点本塁打を放つ。投手岸、捕手水野=加藤諒撮影
【大阪桐蔭―明徳義塾】1回表大阪桐蔭1死二塁、香月は右越えに2点本塁打を放つ。投手岸、捕手水野=加藤諒撮影 出典: 朝日新聞

ブルペンも強豪校の伝統に学んだ

 悔しさもあったが、思い出したのが、昨年ブルペン捕手としてチームを支えた1学年上の久米健夫さん(18)の存在だ。森友哉捕手(現西武)という絶対的存在がいる中、久米さんは常に声を出して引っ張った。「久米さんみたいに」と松本君もベンチでは指示の声を誰よりも出す。
大阪)投手陣支える「12番」、ブルペン捕手松本和馬君:朝日新聞デジタル
ブルペン捕手をつとめる松本和馬君=2014年8月14日
ブルペン捕手をつとめる松本和馬君=2014年8月14日 出典: 朝日新聞

野球部に続け! 全校で「文武両道」掲げる

 大阪府大東市にある男女共学の私立校で、1983(昭和58)年に開校。中高一貫だが、高校から入る生徒の方が多い。学校法人大阪産業大学の運営。

 生徒は各学年約700人で、Ⅰ~Ⅲ類にわかれ、体育芸術に秀でた生徒はⅢ類に。平日は午後8時まで学校で自習できる。3年生の希望者には夏休みに受験対策の合宿が用意され、進学実績を伸ばしている。理系の生徒は文系の倍近くにのぼる。
教育2014 大阪)頭も鍛え頂点めざす 大阪桐蔭高校:朝日新聞デジタル
野球部の活躍に負けじと、勉強合宿に打ち込む大阪桐蔭の生徒
野球部の活躍に負けじと、勉強合宿に打ち込む大阪桐蔭の生徒 出典:教育2014 大阪)頭も鍛え頂点めざす 大阪桐蔭高校:朝日新聞デジタル

優勝導いた応援 チアリーダーにも厳しい競争

 野球にサッカー、駅伝と体育・芸術コースの部活動を応援する女子チアリーダー部は、中学1年生から高校2年生まで約50人。だが、フィールドで競技する選手たち同様、チアリーダーにも厳しい競争がある。

 ユニホームを着て声援を送れるのは体力や技術で選ばれた30人まで。キャプテンの北野晴香(せいか)さん(2年)は「初めて客席に立てた時はうれしさと緊張があった」。ふだんの練習は週1日だが、試合前は毎日。踊りのレパートリーは20種類あって毎年改良が加わる。
教育2014 大阪)頭も鍛え頂点めざす 大阪桐蔭高校:朝日新聞デジタル
声を張り上げて応援する大阪桐蔭の生徒たち=2014年8月24日、阪神甲子園球場
声を張り上げて応援する大阪桐蔭の生徒たち=2014年8月24日、阪神甲子園球場 出典: 朝日新聞

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