お金と仕事
日本は「仕事のやりがい」が最下位 世界調査でわかる意外な傾向
ビジネスSNS「Linkedin(リンクトイン)」が世界26カ国のユーザーに実施した調査で「今の仕事にやりがいを感じている」と応えた割合は日本が最下位だった。他国との比較で見える傾向とは。
お金と仕事
ビジネスSNS「Linkedin(リンクトイン)」が世界26カ国のユーザーに実施した調査で「今の仕事にやりがいを感じている」と応えた割合は日本が最下位だった。他国との比較で見える傾向とは。
世界で3億人以上が利用するビジネス系SNS「Linkedin(リンクトイン)」が世界26カ国のユーザーを対象に実施したネットアンケートで、「今の仕事にやりがいを感じているか」と質問。日本のユーザーで同意すると答えたのは77%。実施国中最低だった。
1位~3位はインド(95%)、マレーシア(94%)、ドイツ(93%)。下位では23位ロシア(82%)、24位フランス(同)、25位トルコ(80%)で、80%を切ったのは日本だけだった。
リンクトインが日本語でのサービスを開始した2011年10月時点の国内での登録者は40万人。2013年12月に100万人を突破し、「現在も増え続けている」(広報担当)。業界はITや研究職、金融、出身大学は早稲田、慶応、東京大などが多いという。
記者(古田)も登録している。プライベートの友人とのつながりが多いフェイスブックと異なり、仕事上のネットワーキングを求めるバリバリのビジネスパーソンが利用しているという印象だ。リンクトイン上のつながりを利用して、企業から取材をして欲しいと依頼が来ることもたびたびある。
積極的なビジネスパーソンが中心のリンクトインユーザー。その中で、仕事にやりがいを感じる割合は、日本が26カ国最低というのはなぜか。
Linkedin Japanの事業立ち上げに伴い、日本法人社員第一号として入社した長谷川玲さんに聞いた。肩書は「日本広報及びアジア太平洋地域ソーシャルメディア統括(長い)」。
26か国中最低とは言え、77%がやりがいを感じており、満足度が飛び抜けて低いわけではない。それでもなぜ、他国と比べると低いのか。長谷川さんによると、やりがい上位の国々には意外な傾向が見つかるという。
「今の仕事にやりがいを感じると応える人が多い国は、転職を望む人も多いです。『今もやりがいはあるが、さらにステップアップしたい』という積極性が共通しているようです」
日本のリンクトインユーザーで、積極的に新たな仕事を探していたり、週に数回求人に目を通したりする「転職顕在層」は20%。世界平均の25%を下回っている。これらの回答から、「今の仕事に不満があるから、転職先を探す」というのとは逆の傾向があることがわかる。
一方、転職活動をしていない人に「新しい仕事を望むことは」と聞くと、こんな結果だった。
世界平均では給与や待遇を求める人が多いのに対し、日本ではやりがいを求める人が一番多い。こだわっているからこそ、「今の仕事にやりがいを感じていますか?」という質問への回答が厳しくなる点もあるかもしれない。
調査レポートのリンクはこちら。