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ウクライナが「盗聴動画」を異例の公表 マレーシア機撃墜は情報戦に
マレーシア機の撃墜をめぐり、ウクライナ当局が親ロシア派武装勢力とロシア軍幹部の通信を傍受したとする動画を公開。日本語含め8カ国語に簡易翻訳した。撃墜にはロシアの関与があったとの主張を国際社会に訴えるため、インターネットによる「情報戦」を展開している。

マレーシア機の撃墜をめぐり、ウクライナ政府が「盗聴動画」を公開した。ウクライナで反政府活動を続けている「親ロシア派武装勢力」と、ロシア軍幹部の通信を傍受したとするものだ。日本語含め8カ国語に簡易翻訳し、ウクライナ保安局(The Security Service of Ukraine)のインターネットのサイトに載せている。
撃墜にはロシアの関与があったとの主張を国際社会に訴えるためとみられ、ネット上で異例の「情報戦」を展開している。

「ベス(悪魔)」の通称で知られる親ロシア派武装勢力のイーゴリ・ベズレル幹部とされる人物が、GRUのゲラニン大佐とされる人物に対して、「航空機をちょうど撃ち落としたところだ。写真を撮りに行っている」「約30分前だ」などと報告していた。ウクライナ政府関係者によると、「ベス」は、捕虜にしたウクライナ軍人を処刑するなど残虐な手口で知られ、親ロシア派内部でも最強硬派の一人という。また、別の人物同士の会話では、「遺体を見つけた。民間人だった」「100%旅客機なのは確かだ」「(武器は)全くなかった」などと話し合っていた。
この動画によると、親ロシア派の主要部隊「ボストーク」の司令官が撃墜の翌日、仲間との電話で「ブラックボックスはどこだ」と質問。仲間がまだ確保していないことを告げると、「早くしろ。緊急事態だ。モスクワがどこにあるか尋ねている」と命じた。
その後、この司令官は別の仲間に「他人の手に渡らないようにしなくてはならない」などと告げた。

7月18日 「親ロシア派武装勢力幹部らと、ロシア軍参謀本部情報総局の幹部の電話での会話を傍受」
7月18日 「ロシア側から地対空ミサイル『BUK』を入手したと話す、親ロシア派武装勢力の会話を傍受」
7月19日 「ロシアはテロ行為(マレーシア機撃墜)に関与した証拠を消そうとしている」
7月20日 「テロリスト(親ロシア派武装勢力)とロシア側がフライトレコーダーを隠している証拠」
(※追記。日本時間22日)
こうしたウクライナの動きを受け、21日にはロシア側が急きょ会見。
ロシア国防省が緊急会見。 1.衛星写真で、ウクライナ軍がドネツク周辺にBUKを配備していたことが判明。 2.対空レーダーが17日に最も活発に活動していた。 3.ウクライナ軍のSU25がマレーシア航空機まで4キロまで接近していた。ミサイルの射程内である。 といった内容です。
— Akiyoshi Komaki 駒木明義 (@akomaki) 2014, 7月 21
マレーシアのナジブ首相は声明を発表。親ロシア派幹部と水面下で直接交渉し、引き渡しの合意を得たことを明らかにした。
