話題
ドイツサッカーは民族の壁を乗り越えた オシムも語るその力
サッカーワールドカップで優勝したドイツ代表。「ゲルマン軍団」と呼ぶ人もいますが、選手たちのルーツは多様です。オシム元日本代表監督は「人種と民族が混合した強さ」と評します。
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サッカーワールドカップで優勝したドイツ代表。「ゲルマン軍団」と呼ぶ人もいますが、選手たちのルーツは多様です。オシム元日本代表監督は「人種と民族が混合した強さ」と評します。
決勝前にサッカー界の賢人イビチャ・オシム元日本代表監督がこう語っていたドイツ代表。実際には何人の選手が国外にルーツをもっているんでしょう。
様々なデータの視角化(ビジュアライズ)を紹介するサイト「codehesive.com」から「Brazil 2014: Visualising ancestral and
international connections between teams(ブラジル2014:代表チームにおける祖先や国際的な縁故の視角化)」を見てみます。
このサイトは、本人がどこの市民権を持っているか、両親や祖父母はどこの出身かをまとめたものです。これによると、ドイツ代表のうち国外にルーツのある選手は以下の6人。
サミ ケディラは両親がチュニジア出身。
ルーカス ポドルスキはポーランド生まれ。
ミロスラフ クローゼはポーランド生まれ。
ジェローム ボアテングは両親がガーナ出身。
シュコドラン ムスタフィは両親がアルバニア出身。
メスト エジルは祖父母がトルコ出身。
ワールドカップ歴代最多16得点のクローゼも、9歳でドイツに移住した移民です。
このサイトによると、今大会で大活躍したオランダは8人、スイスはなんと15人の選手が13の国々にルーツを持っています。代表チームで海外にルーツがない選手だけで成り立っているチームはないそうです。
日本代表は1人。「Gōtoku Sakai Born in USA and parent from Germany(酒井高徳は米国生まれ、親がドイツ出身)」とあります。
「移民が許されなかったら代表はこう見える」というテーマで写真で表現したサイトもあります。
日本代表でもこれまで海外出身の選手が活躍してきた歴史があります。しかし、ワールドカップの各国代表は選手の3分の1~過半数が国外にルーツを持つことが珍しくありません。日本代表もいずれはそんな多様性を持つチームになるのでしょうか。
Wired.jpにこんな記事があります。
ドイツは99年に国籍法を改正して移民受け入れに大きくかじを切り、反差別法も制定しました。二重国籍の要件緩和も進んでいます。そして、サッカー界自身も人種差別と戦っています。
多民族国家ユーゴスラビアで、民族の対立を経験したオシム元日本代表監督が「ドイツが王者にふさわしい」と語るとき、テクニックだけではないものも評価していると感じます。