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福井県鯖江市JK課、意外と本気で活動中

記者会見で本格稼働をPRするJK課員
記者会見で本格稼働をPRするJK課員 出典: 朝日新聞デジタル

目次

 福井県のほぼ中央に位置する鯖江市。眼鏡のフレームや漆器の生産で有名ですが、今年2月、同市役所が女子高生による「JK課」の設置を発表して話題を呼びました。これまでの経緯や活動を、朝日新聞福井県版などからまとめました。

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そもそも何で出来たの?

出典:鯖江市役所ホームページから
 若い感性で行政と市民の垣根を取り払い、まちを活性化させるのが狙いだ。
 市内の高校に通う1、2年生の女子生徒18人がすでに課員に内定。無料通話アプリのLINEやツイッターを通じて口コミで集まった。4月から無報酬で、イベントの企画や、国内シェア9割超の眼鏡フレームなどの商品やアプリの開発などを手がける。
朝日新聞デジタル:課員は全員女子高生「JK課」 福井・鯖江市設置へ(14年2月19日)

仕掛け人はこんな人

 慶応大SFC研究所上席訪問所員の若新雄純さん。昨年話題になった「ニート株式会社」を、中心になって企画し、代表取締役会長に就任した方です。

「ニート株式会社」を設立した若新雄純さん=東京・日本橋、仙波理撮影
「ニート株式会社」を設立した若新雄純さん=東京・日本橋、仙波理撮影 出典:朝日新聞デジタル
福井県若狭町の信号機も自動販売機もなかった農村で、教師の両親から「将来は医師か弁護士に」と言われて育った。中学でビジュアル系バンドにはまり、進学校に進んだ高1で髪を染めた。周囲とのズレを感じ続けた子ども時代が、活動の原点になっている。
朝日新聞デジタル:(ひと)若新雄純さん(14年3月4日)

 そんな若新雄純さん、なぜJK課に……。

昨年、「ニート株式会社」を立ち上げたことをきっかけに、IT推進を掲げる鯖江市の担当職員と意気投合。JK課のアドバイザーとして関わることになった。
朝日新聞デジタル:課員は全員女子高生「JK課」 福井・鯖江市設置へ(14年2月19日)
記者会見で本格稼働をPRするJK課員=鯖江市役所
記者会見で本格稼働をPRするJK課員=鯖江市役所 出典:朝日新聞デジタル

反響広がる

 「JK課」設置のニュースが報じられると、ネット上では話題沸騰。これを取り上げた朝日新聞デジタルの記事も、3千以上ツイートされましたが、鯖江市には批判も寄せられたそうです。

出典:imasia
今年2月、JK課設立の構想が明らかになると、市には全国からメールや電話で多くの批判的な意見が寄せられた。内定していたメンバーの中から辞退者も出た。市はホームページ上で、今の行政と最も距離感がある女子高生がまちづくりに関わることで、幅広い市民の参加を促すきっかけにしたいという意図を説明し、理解を求めた。メンバーも「ネガティブになってもしょうがない。注目されていると受けとめる」などと前向きだ。
朝日新聞デジタル:福井)鯖江市「JK課」が始動 市民参画の裾野拡大へ(14年4月17日)

で、実際どんなことしてるの?

 「JK」というと色々なイメージを持たれがちです。しかし、その活動、なかなか地道なんです。

 女子高校生からなる鯖江市「JK課」がゴミ拾いイベント「鯖江ピカピカプラン」を企画し、参加者を募っている。6月15日午前7時半にサンドーム福井かJR鯖江駅前に集合し、2時間ほどたばこの吸い殻や空き缶などを拾う。
朝日新聞デジタル:福井)鯖江市JK課、ゴミ拾いイベントの参加者募集中(14年5月30日)

 ゴミ拾いイベントの模様は、JK課のツイッターでも発信。



 担当する鯖江市役所市民恊働課によると、ごみ拾いは8月にも予定しています。他にも地元の菓子店とコラボしたスイーツ作りなどにも取り組んでいるそうです。さらには……。

アプリの開発も!


 女子高校生でつくる「鯖江市役所JK課」とIT企業「jig.jp」が、スマートフォンなどで市文化の館(図書館)の閲覧机の空き状況が瞬時に分かるアプリを共同開発した。7月11日までに運用を始める。
 アプリの名前は「Sabota(さぼた)」。11卓ある閲覧机の空き状況と蔵書検索、図書返却場所の確認ができる。ピンクを基調に、レッサーパンダのイラストをあしらったデザインもJK課員が考えた。

閲覧机の下にセンサーを取り付け、図書館アプリの稼働テストをする鯖江市役所JK課員
閲覧机の下にセンサーを取り付け、図書館アプリの稼働テストをする鯖江市役所JK課員 出典: 朝日新聞福井県版(14年 6月28日)

 高校生は閲覧机を学習スペースに活用している。しかし訪れてみないと空き状況が分からないのは不便だとして、JK課員がアプリ開発を発案した。
 26日、JK課員6人が閲覧机の下に在席状況を確認するセンサーを取り付け、稼働テストをした。課員の1人は「不便と感じていたことを伝えると、実際に目に見える形になった。うれしい」と話した。(湊彬子)
朝日新聞福井県版(14年 6月28日)

そんなJK課を、この人?も応援

メガネをもらって喜ぶふなっしー
メガネをもらって喜ぶふなっしー
 人気のゆるキャラ、ふなっしーが28日、日本最大の眼鏡フレーム産地・福井県鯖江市を訪れ、特製のプラスチック製の眼鏡をプレゼントされた。
 ふなっしーは地方を元気にしたいと全国を巡る旅を自ら企画。女子高校生が町づくりに参加するJK課を立ち上げた鯖江市を、最初の訪問地に選んだ。
 体の色に合わせ、枠が黄色で、つるは青色。ご満悦のふなっしーに、高校生は「おしゃれをするとき掛けてくださいね」と、特産眼鏡をちゃっかりPR。
朝日新聞デジタル:ふなっしー、メガネでおしゃれに? 福井・鯖江を訪問(14年6月29日)

「JK」に触発されて「OC(おばちゃん)」も

出典:imasia

 積極的に活動する「JK」たちに刺激を受け、かつては「JK」だったおばちゃんたちも奮起。まちづくりの市民団体「鯖江市OC(おばちゃん)課」を立ち上げました。

 鯖江市在住の吉村明美さん(53)が5月末、フェイスブック(FB)でOC課の立ち上げを呼びかけ、40~50代を中心に市内外の19人が参加を表明した。
 吉村さんは以前から街づくりのために何かしたいと考えていた。しかし孫の世話に忙しく、「女性は仕事、子育て、家事、地域活動と忙しく、自分の都合で動けない」と感じていた。
 今春、報道で「JK課」の活動を知り、理念に共感。「おばちゃんも、やるか!」と思い立った。
 多忙な女性が多いため、FB上で非公開で打ち合わせをして、決定事項を「鯖江市OC課」の公開FBページで知らせていく。
朝日新聞デジタル:福井)JK課ならぬ鯖江市OC(おばちゃん)課発足(14年6月17日)

 こちらも精力的に活動中。


 「JK」も、「OC」も地元のために、日々奮闘中でした。

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