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「たのしいジジネタンカ」はじめます 時事ネタと短歌のコラボ

 インターネットの発達により、作品の募集や発表のハードルが劇的に下がりました。そんな時代に、最新のニュースを短歌に詠み、感想をネット上で言い合うのは、21世紀の風流ともいえる試みではないでしょうか。短歌ができましたら、コメント欄から投稿してください。 笹 公人(歌人)

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 インターネットの発達により、作品の募集や発表のハードルが劇的に下がりました。そんな時代に、最新のニュースを短歌に詠み、感想をネット上で言い合うのは、21世紀の風流ともいえる試みではないでしょうか。短歌ができましたら、コメント欄から投稿してください。

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話し言葉であってもかまいません

 短歌とは、5・7・5・7・7の31音のリズムから成り立つ日本の伝統詩型です。俳句とちがって「季語」はいりません。ちなみに俳句は、5・7・5のリズムです。短歌だからといって、「なり」や「けり」という文語体の語尾をむりやり使う必要はありません。話し言葉であってもかまいません。話し言葉(口語)と書き言葉(文語)が混じっても大丈夫です。

「時事詠」と呼ばれる世界

 今回、私が提唱する「ジジネタンカ」は、短歌の世界では「時事詠」と呼ばれる世界です。時事ネタを題材にするという点においては川柳に近いかもしれません。しかし、短歌は、俳句や川柳(5・7・5)よりも7・7の分だけ多いので、より自分の思いをストレートにぶつけることができます。
そこで気をつけて頂きたいのは、時事ネタを扱うと、ついつい事件のあらましを説明したものになりがちだということです。事実を説明するのではなく、事件や出来事について自分がどう感じ、どう思ったのかを主題にして頂きたいのです。

自分の「思い」伝えるジャンル

 短歌は自分の「思い」を伝えるのに適したジャンルです。「事柄ではなく感情を述べる」ということを常に心がけて頂きたいと思います。たとえば、最近のASKA氏に関する加熱報道に接して、私はこのような歌を詠みました。

童貞を患いしころ飛ぶ鳥のCHAGE&ASKA街に響きぬ (笹公人)

囚われしASKAの黒い過去よりも明日の天気を知りたきわれは (笹公人)

 私の高校時代は、CHAGE&ASKAの全盛期でした。彼らの楽曲が青春時代を彩ってくれたことを思い出し、懐かしくなって思わず1首目のような歌を詠みました。「飛ぶ鳥」という枕詞をASKA(明日香)に掛けています。
 2首目は、明日の天気予報を見ようとテレビをつけたら、どこのテレビ局もASKA氏の報道ばかりだった時の驚きと、お目当ての天気予報がやっていなかった残念な気持ちを詠んでみました。
 このように、事件のあらましを説明せずに、ニュースを見たことによって湧き上がった瞬間の感情やイメージをとらえることが、上質な「ジジネタンカ」を作るコツだと感じています。

21世紀の風流

 インターネットの発達により、作品の募集や発表のハードルが劇的に下がりました。そんな時代に、最新のニュースを短歌に詠み、感想をネット上で言い合うのは、21世紀の風流ともいえる試みではないでしょうか。
 ぜひみなさまの投稿をお待ちしております!
 よろしく哀愁☆


笹 公人(ささ・きみひと)

1975年東京生まれ。歌人。「未来」選者。
17歳の頃、寺山修司の短歌を読んだことがきっかけで作歌を始める。
1999年、未来短歌会に入会。岡井隆氏に師事。
2003年、歌集『念力家族』でデビュー。
他の歌集に『念力図鑑』、『抒情の奇妙な冒険』。
他に、『念力姫』『笹公人の念力短歌トレーニング』、
絵本『ヘンなあさ』(本秀康・絵)、和田誠氏と共著 『連句遊戯』、
朱川湊人氏との共著 『遊星ハグルマ装置』、
編著に『王仁三郎歌集』(出口王仁三郎・著)などがある。

イラスト・杉木ヤスコ

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