教員として願った本土復帰、だけど…バブル後に倒産、83歳女性の今

「自分の生活で手いっぱいだった」

伏見学
ライター

宮古島出身で、現在は那覇市で暮らす83歳の西原トシさん=いずれも筆者撮影


1972年5月15日の沖縄本土復帰から、まもなく50年。この半世紀で沖縄はどう変わったのでしょうか。連載「10人の沖縄」では、沖縄で生まれ育った10人の視点から、この50年をひもときます。 (ライター・伏見学)

有人・無人合わせ、160もの島嶼(とうしょ)から成る沖縄県は、島ごとに文化や風習が育まれ、それが沖縄の多様性を作り上げてきました。

ただし、島々の魅力が増すことと、島民生活が豊かになることは別の話。進学や就職のために多くの人たちが島の外へ出て行かざるを得ない状況は今も昔も変わりません。
 
実際、那覇には離島をルーツとする県民がたくさんいます。元小学校教員の西原トシさん(83)もその一人です。

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