育児雑誌が発する〝有用であれ〟ホームレス差別発言から考える子育て

高橋健次郎

「育児雑誌における『有用であれ』というような能力主義的なメッセージは、2000年代以降、その強調に拍車がかかってきたと思います」と専門家は指摘します(画像はイメージです)

「ホームレスの命はどうでもいい」――。今年8月、ユーチューバーが差別発言し、謝罪動画を公開しました。しかし、それ自体にも疑問が呈されました。

動画は「頑張っている」ホームレス状態の人がいるにもかかわらず、差別発言をしてしまったという内容でした。「努力すること」が生きる資格とも取られかねない、と指摘されたのです。根底には、「有用であるべきだ」という他者に対する呪縛があるように思いました。

私は違和感を覚えました。しかしながら、同僚に「『人の役に立たなきゃ』みたいな焦り、ありませんか?」と問われ考え込んでしまいました。

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