「死ぬ前からすでに残りかす」哲学者の言葉から考える〝死の恐怖〟

死に意味を求めてしまう私たち

真鍋厚
評論家・著述家

死の恐怖はどこからくるのか。評論家で著述家の真鍋厚さんは、「人生の最後の最後まで生と死のニュアンスをカスタマイズし続けるしかない」と述べます ※写真はイメージです=Getty Images

【眠れぬ夜の死の話】
感染症の拡大や医療崩壊は、普段は考えない死について、自分ごととして受け止めるきっかけにもなっています。自分の死が向こうの世界の何ものかと交換される――。科学技術が進展し、良くも悪くも古代から信じられていた思考に拘束されなくなった現代、「死んだらモノになる」といった死の物理的な側面ばかりに目を奪われがちになっています。「死ぬ」ということを、なぜ恐怖するようになったのか。評論家で著述家の真鍋厚さんに、つづってもらいました。

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