認知症になっても続く「正解のない日常」ひとり娘が映画にした理由

岩崎 賢一
朝日新聞VMエディター

映像を切り出して写真で見ると、はっとさせられる。ただ、同時に「うちもある」と思わせるシーンがちりばめられている 🄫「ぼけますから、よろしくお願いします。」製作・配給委員会

 家族が認知症になったら、何が起きるのでしょうか? ドキュメンタリー映画『ぼけますから、よろしくお願いします。』は、帰省したひとり娘のちょっとした変化への気づきから始まります。認知症になった母の苦悩。90歳を過ぎて家事を始めた父。介護ヘルパーが家に来ることへの抵抗感。子どもには頼りたくない気持ち。「だんだんバカになってきよる」「悲しいよね」と漏らす母。そんなリアルな姿をひとり娘の信友直子さん(56)が撮影しました。映画で描かれている「正解のない日常」について話を聞きたくて、老夫婦が住む呉を訪ねました。

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