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映画館に客1人だけ…「貸切王」のバッジもらえるかも 京都の出町座
ネット上で注目を集めた取り組みについて取材しました
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ネット上で注目を集めた取り組みについて取材しました
映画を見に行ったら客が自分一人だけだった――。そんな時に「貸切王」と書かれた缶バッジをもらえるかもしれない映画館が京都にあります。ネット上で注目を集めたこの取り組みについて取材しました。
京都市上京区の昔ながらの商店街にある「出町座」。
個性的な品ぞろえの書店とカフェも併設されており、シネコンでは見られないえりすぐりの映画が上映されています。
そんな出町座では、お客さんが一人だった時、スタッフがバッジをプレゼントしてくれることがあります。
キラキラした背景に王冠が描かれていて、上には「貸切王」と書かれています。
ツイッターで紹介されて話題になったこの貸切王バッジ。
出町座の担当者は経緯をこう説明します。
「1年ほど前から始めました。あれをやってみよう、これをやってみようとスタッフで話が盛り上がった中で実現した企画の一つです」
出町座ではアートやカルチャーに詳しいスタッフが多く、グッズなども制作・販売しています。
バッグやTシャツといった定番から、映画館の座席番号をモチーフにしたキーホルダーや、「上映中」のマークを模したピンバッジまで。
そうした培った発想力を生かして貸切王バッジも作ったそうです。
一人で映画を見るお客さんに「申し訳ないと思ってほしくない」という気持ちも込めたというこのバッジ。
お客さんにとっても、スタッフにとっても負担にならないレベルの「遊び」として実施しているそうです。
そのため、バッジの在庫がなくて渡せなかったり、貸し切りだと思っていたらギリギリでもう1人お客さんが来て貸し切りでないのに渡してしまったり、といったこともあるそうです。
「渡すタイミングが意外と難しく、必ずというわけにはいきません。だから告知などはしていませんし、これからもしません」
ただ映画をかけるだけでなく、日常と地続きの世界を楽しく、豊かにすることを目指しているという出町座。
取材に答えた担当者はこう話します。
「私は映画は外に見に行くもので、体験するものだと思っています。でもデジタル時代に自宅で見ることを否定しませんし、対立するものでもありません。いろんな選択肢から思いがけない発見や出会いが生まれて、現実世界が少しでも楽しいものになればいいですよね」
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