連載
#5 特別じゃない日
コンビニにやって来た「やばいお客さん」 意外な結末、思わずニコリ
「特別じゃない日」をテーマにした単行本が発売された漫画家・稲空穂さん。ツイッターで発表して注目を集めた漫画「やばいお客さん」に込めた思いを聞きました。
「やばいお客さん来た」
「渡辺さん早く来て」
コンビニでバイトをしている3人のグループLINEに、助けを求めるメッセージが投稿されました。
メッセージの送り主は、先輩の吉田さん。
メッセージを読んだ後輩の渡辺さんが「え 大丈夫ですか」と返信すると、吉田さんは「すぐ来て」。
1時間後、吉田さんのLINEに気づかなかったもう一人のアルバイトが「ごめんスマホ見てなかった。大丈夫?」とグループLINEに返信します。
すると、すでにお店に駆けつけていた渡辺さんから、なでなでされてご満悦な「猫」の写真が投稿されました。
猫が苦手な吉田さんにとっては「やばいお客さん」だったようです。
私は幼いころから犬と触れ合って育ってきました。
祖父母の家や実家ではずっと犬を飼っておりましたので、猫と触れ合う機会というものがなかなかありませんでした。
ずっと触れ合ってきた犬と違い、私にとって猫は未知のいきものです。
どう接していいか分からず、正直今でもわからないままです。
猫だけではありません。鳥、ハムスター、爬虫類……犬以外は本当にわかりません。
一歩踏み出す勇気があれば……と思いつつも、困ったら詳しい人にお任せしてしまうという経験を元に、楽しく描かせていただきました。
◇
〈稲空穂=いな・そらほ〉 静岡県出身・在住の漫画家。会社員を経て2017年に「おとぎ話バトルロワイヤル」(KADOKAWA)でデビューし、「特別じゃない日」で日常をテーマにした作品に挑戦中。老夫婦や女子高校生、主婦、バイトの青年……それぞれの小さな幸せがつながっていく物語を描いていて、実業之日本社から第1集が書籍化されています。Twitterアカウントは@ina_nanana
withnewsでは原則隔週水曜日に、稲さんの漫画とともに作品に込めたメッセージについてのコラムを配信しています。
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