連載
#12 #withyou 悩み相談
「不登校は『逃げ』じゃない」中川翔子さんが言い切れる理由
「クラスメートがいじめられてる教室に行けなくなった」という10代の悩みに、中川翔子さんは。
小学6年のとき、いじめの対象になった男の子がいました。周りの子が「死んじまえ」などひどい言葉をかけていて、そんな教室に行くのが嫌になり、不登校になりました。プログラミング教室に通ったりバスケチームに所属したり、結構忙しい不登校生でした。 学校は、面白いこともありますが、うんざりすることも多いです。行くだけでストレスになる場合は、どうすればいいのでしょうか。(東京都 通信制高校3年男子)
何かを学びたい、やりたいという気持ちがあるのはとても素敵です。
「学校が嫌だったら行かなくていい」と、最近言われるようになりましたが、そう言い切れるほど簡単な話ではないんですよね。実際は、「休んだ日の授業で、大事なことを習ったかもしれない」とか、「ずっと休んでいたら、この先どうなるんだろう」とか、焦ったり不安に思ったりすると思う。
けれど、学びたい気持ちがあれば、場所を変えることは「逃げる」ことではなく、もっと自分に合う道を「選ぶ」こと。学びたいという気持ちを大切に、これからも自分に合った場所、合った方法を見つけていけるといいですね。
それから、もし今後、どこかでいじめられている友だちがいたら。
「いじめられている側にも問題がある」と言う人がいますが、それは絶対にない。いじめている側が100%悪いです。
そのうえで。毎日ひとこと、あいさつをする。それだけでもいいから、いじめられている子に寄り添ってあげてほしいです。私も中学でいじめられていたとき、気にせずにいつも話しかけてくれた、たった1人の友人に、本当に救われたから。声をかける。笑い合う。それが難しいなら、少なくとも、いじめに加担しないでほしいです。
ひとりひとりが、悪口や陰口を「ここで止める」という意思をもって行動できれば、いじめはきっと止められる。いじめを連鎖させないということは、誰もができる小さな抵抗だと思います。
<なかがわ・しょうこ>
愛称は「しょこたん」 歌手や女優、ディズニー映画の吹き替えなど声優、イラストレーターとして広く活躍する。
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