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「京アニ」火災、中国から寄せられた声 「加油」めぐりすれ違いも…
「京都アニメーション」の第1スタジオ(京都市伏見区)で起きた火災は、中国でも注目され、ネット上では「眼涙止不住(涙が止まりません)」、「不要再有人去世了(これ以上の犠牲者を出てほしくない)」など多くのコメントが集まっています。一方、中国語で励ましを意味する「加油」を巡っては、ちょっとしたすれ違いも……。中国から「京アニ」に送られたエールの動きを追いました。
事件は、CCTV(中国中央テレビ局)が報道したほか、中国版ツイッター微博(weibo)をはじめとしたSNSや、動画サイトでまたたくまに広がりました。
微博では「#日本京都動画発生爆炸」のハッシュタグがついた記事は7000万近いページビューを集めており、コメントなどをしたユーザーは1万2千人を超えています。犠牲者が33人に上ったニュースに対しても、1万以上のコメントが集まりました。
京アニのファンだけではない、多くのユーザーがコメントをしており、「這是恐怖襲撃(放火事件はまさにテロ事件)」といった声も多く寄せられています。
「アニメ界の巨大な損失だ」
「テロ事件よりもひどい」
「勤勉な人たち、そしてアニメ事業を愛している人たち、生命の最後の時に直面した絶望を想像できません。原画やマンガより、人の命は本当に最も重要です。これ以上犠牲者を出てほしくないです。本当に、悲しい……」
「京アニがプロデュースしたものは、よいものばかり。良心的な会社がこんな報復を受けるなんて。33の命と33の夢が、燃やされ、悪意に葬られてしまった……」
そして、こんな言葉も。
「祈禱不分国界!願平安(お祈りには国境はない。平安を祈ります)」
京アニへの中国からの励ましについては、ちょっとしたすれ違いも起きました。
中国語で、「頑張れ」を表す際には、「加油」(ジャーユー)といいます。語源について諸説ありますが、清王朝の時代、科挙試験に参加する受験生を励ますため、受験生らに照明用の灯に油を加えた学者がいたことから、「加油」が使われるようになったとも言われています。
一方、今回は火災事件なので、「加油」を「油を加えよう」と受け止めてしまう日本人もいたようです。
漢字が共通しているからこそ起きたトラブルに気づいた人の中には、ツイッターなどで「加油」の中国語の意味を日本語で説明するアカウントも生まれています。
「『加油』という単語に対して、いくらどう思っても『頑張って』の意味しかない。どんな事件があっても中国人は善意を持って『加油』で被害者に応援します」
漢字をめぐるすれ違いがあったとはいえ、中国の反応の多くは、日本で起きた悲劇と、国境を越えたアニメ文化へのリスペクトでした。
中国の「ニコニコ動画」のような動画サイト「Bilibili」では、「日本アニメ史上最も暗い一日」というタイトルで、ニュースの映像を流しました。動画の再生回数は48万を超え、「弾幕」のコメントは2000件以上にのぼっています。「逝者安息(ご冥福をお祈りします)」のコメントが圧倒的に多かったです。
「京アニのない未来は私の期待している未来ではない」
「まさか……天が落ちる感じ……」
「本当に悲しいです」
「京アニの復活を祈ります」
コメントの中には、人材はもちろん、アニメの資料、原画が失われることを惜しむ声もありました。
「真的従作品里学到了許多、尤其是key三部曲的涙悟人生。希望能堅強起来、為了動漫文化、為了今後の動漫業界、加油!」
(彼らの作品から多くことを学びました。特にKey三部作は非常に涙を誘い、人生を悟られました。アニメ文化とアニメ業界のために、立ち直ってほしいです。頑張ってください!)」
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