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まだいた激レア「令和さん」何と誕生日まで!「あと1日早かったら」
1日に新しい元号が発表され、全国で同じ名前の「令和さん」が続々とメディアに登場しました。ところが、数ある「令和さん」の中でも、人一倍珍しい「令和さん」がいました。漢字はもちろん、誕生日まで……。いったいどんな「令和さん」なのか。高松市に住む家族を訪ねました。(朝日新聞高松総局記者・小木雄太)
その名は、小比賀令和(おびか・れわ)ちゃん。3歳です。自宅にお邪魔すると、くりくりとした目を向け、「こんにちは」とあいさつをしてくれました。
漢字は元号と同じ、呼び方も「れわ」と一文字違いです。
と、ここまででも十分、珍しいのですが、さらに驚くのは誕生日です。
母の安矢未(あやみ)さん(34)に尋ねると……「もし1日早く生まれていたら、さらにおめでたかったですね」と笑っています。
そう、令和ちゃんの誕生日は5月2日。元号が変わる5月1日の1日後だったのです。
そんな令和ちゃん一家、新元号が発表された日は、実は引越しをしていました。前日の3月31日に広島県から香川県に移ってきたそうです。
段ボールの箱を開け、荷物を片付けていたら、祖父の通延(みちのぶ)さん(68)から「新元号は『れいわ』やで」と電話がきたとか。
「『れわ』と似ていますね」と返すと、「いやいや、漢字が一緒やで」。それを聞いた瞬間、鳥肌が立ったといいます。
それでも、「テレビもなかったから、エープリルフールの冗談かと思っていた」。でも、友人からのメッセージでLINE(ライン)が鳴りっぱなしだったので「さすがに信じた」そうです。
その日の夕飯は赤飯に。祖母の布差子さん(66)らが、令和ちゃんを「元号さま」と呼んだり、「もういっそ、(呼び方を)れいわに変えたら良いのかも」とからかったりしたそうです。
すると、令和ちゃんは「れわちゃんは、れわちゃんがいい」と涙目になって、怒ったといいます。それでも、会いに行った当日は家族から「元号さま」と言われても、「はい」と照れながら手を挙げ、返事をしていました。
では、なぜ「令和」と名づけたのでしょうか。
名付け親は、祖父の通延さん。「小比賀の姓には『令』が合うんです」と話します。
令和ちゃんは3姉妹の真ん中で、姉の令依(れい)ちゃん(6)と妹の令阿(れいあ)ちゃん(10カ月)も、確かに「令」がついています。それに、妹の「れいあ」という音の響きは、「れいわ」に似ているではないですか。
「令和」は、趣味で学んでいた姓名診断によると、画数や音読みから縁起が良かったそう。「令を持って、和を大切にしてほしいとの願いをこめました」と通延さん。
ただ、父親の理延(まさのぶ)さん(37)が「令和は男性みたいだから」と反対。話し合いで、「れわ」に決まったそうです。
今では「呼んでいるうちに、すごく愛着がわいた」という理延さん。ちなみに、新元号の発表当日は、会社のオフィスにあるテレビで知ったそうです。
発表された瞬間は「菅義偉官房長官が、なぜうちの娘の名前を持っているのか、最初はよくわからなかった。意味がわかると、驚きました」
母の安矢未さんは「本人は、これから名前で苦労しないといいです。ただ、縁起の良い名前になったので、名前に恥じない立派な子に育てていきたいです」と笑顔で話しました。
さて、令和ちゃん一家、今年の5月2日はどう過ごすのでしょう?
安矢未さんは「今までは平日で、大人数で祝ってあげたことがなかった」。今年は祝日になるので、「改元と一緒に家族や親戚で盛大に祝ってあげたい」と話していました。
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