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本に付箋は貼らないで! 文字ごとベリッ、図書館からのお願いが話題
心霊番組のナレーションのような表現で呼びかける、図書館のツイートが話題になっています。
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心霊番組のナレーションのような表現で呼びかける、図書館のツイートが話題になっています。
「絶対に、図書館の本に付箋を貼ってはならない……」。心霊番組のナレーションのような表現で呼びかける、図書館のツイートが話題になっています。「一人でも多くの人に知っていただきたいと思ったので」と話す司書に話を聞きました。
今月21日、神奈川県立図書館・神奈川県立川崎図書館のツイッターアカウントが、こんなつぶやきを投稿しました。
添付されている画像には、本のページに挟まれた付箋が写っており、付箋をはがそうとした際に印刷されていた文字も一緒にはがれてしまったようです。
この投稿に対して、「私物ならご自由にどうぞだけど図書館本にはダメ」「職員さんの心中お察しします」といったコメントが寄せられ、リツイートは1万2千を超えています。
図書館恐怖の写真(心霊番組風)画像をご覧いただきたい。お分かりであろうか。付箋をはがした時に、ページの表面が活字ごと剥がれてしまっている。長い年月を経た本は、きれいに見えても劣化が進んでいる事がよくあるのだ。絶対に、図書館の本に付箋を貼ってはならない……(横浜) #神奈川県立図書館 pic.twitter.com/3juO6qvoBe
— クリッピング!(神奈川県立の図書館) (@kanagawa_lib) 2018年6月21日
ツイートしたのは、神奈川県立図書館の司書・白石智彦さん。届いた新刊の登録や、所蔵する本の修復などを担当しています。
「年に何回もある事例ではありません。ただ、古い本の場合に起こりやすく、古い本は入所困難なものが多いので困ってしまいます」
今回投稿した画像は、窓口の担当者から修理依頼が来たものを撮影。付箋の場合、文字がはがれるだけでなく、付箋をはがそうとした際にページがやぶけてしまうこともあるそうです。
「本に書き込みをされた場合などは、鉛筆であれば消しゴムで消すのですが、やはり古い本だとページを傷めてしまうこともあり、修復できないこともあります」
なぜ心霊番組風の文章にしたのか? 白石さんはこう説明します。
「きっと悪気があってやったことではないと思ったからです。『やめてください』と表現するのではなく、一人でも多くの人に知ってもらえるよう、あのような表現にしました」
誤って借りた本を破損してしまった場合の対応については、こう呼びかけます。
「やぶけた場合など、テープでの補修は控えてください。気持ちはありがたいのですが、時間が経つとテープが劣化したり、変色したりします。返却の際にやぶれたことを伝えて、そのまま返してください」
ツイートが話題になったことについては、「びっくりしていますが、広く知っていただけてうれしいです。本をより長く保存して、読み継いでもらいたいと思います」と話していました。
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