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ドジすぎて前例がない? 九死に一生を得たエイが話題 飼育員に聞く
今から3年前、名古屋港水族館で起こった出来事が、ネット上で注目を集めています。
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今から3年前、名古屋港水族館で起こった出来事が、ネット上で注目を集めています。
水槽内を激しく泳ぎ回った後、底の方で動かなくなったエイ。内視鏡で胃の中を調べ、付きっきりで観察していたら、急に身をよじって「白いもの」を吐き出した――。今から3年前、名古屋港水族館で起こった出来事が、ネット上で注目を集めています。きっかけとなったのは、館内に貼り出されている新聞記事でした。
先月31日にツイッター投稿された画像。そこに写っているのは、名古屋港水族館の「サンゴ礁大水槽」付近に貼り出された新聞記事です。
2015年の記事で「希少エイ 九死に一生」という見出しで、大型のエイ「シノノメサカタザメ」が、猛毒を持ったフグをのみ込んだことが書かれています。
飼育員の奮闘もあって大事に至らなかったそうですが、関係者のコメントとして「ドジすぎて前例がない」とあります。
この投稿に対して、「愛されキャラ確定ですな」「お魚にも天然ドジッ娘とかいるんやね」「魚類に萌える日が来るとは思わなかった」といったコメントが寄せられ、リツイートは3万、いいねは6万を超えています。
「はっきり覚えていないのですが、『ドジすぎて前例がない』とコメントしたのは、おそらく私です。今思えば、気づいてあげられず、苦しい思いをさせた私たちの方がドジだったと反省しています」
そう話すのは、飼育員の星野昂大さんです。
騒動が起こったのは2015年1月22日。サンゴ礁大水槽の主役であるシノノメサカタザメが激しく泳ぎ回り、その後、水槽の底で動かなくなってしまいました。
近づいて確認すると、呼吸はしているものの動きません。獣医師とも相談して、水槽に特設の担架を設置し、そこで様子を見ることになりました。
内視鏡で胃の中を調べると、餌として与えたアジやイカが確認できましたが、原因は特定できません。
付きっきりで観察していると、深夜になって急に身をよじり、アジなどと一緒に「白いもの」を吐き出しました。
表面が少し消化されていましたが、その正体は毒を持った「コクテンフグ」でした。
どうやら、餌の時間にたまたま近くを泳いでいたコクテンフグを間違えてのみ込み、毒で体がしびれてしまったようです。
「本能的に襲ってのみ込むことはありますが、そうした姿は水族館では、ほぼ見かけません」と星野さん。
シノノメサカタザメだけでなく、他の魚もサンゴ礁大水槽で飼育している理由については、こう話します。
「他の魚がいることで、小さい魚が群れをなすなど、自然に近いかたちの生態を見ていただくことができるからです」
全長2m20cm、体重130kg以上もあるシノノメサカタザメ。毎日、アジやイカなど2kgの餌をもらい、今も元気に泳いでいるそうです。
話題になったことについて、星野さんはこう話します。
「今回のことをきっかけに興味を持っていただき、元気に泳いでいるシノノメサカタザメを、ぜひ見に来てください」
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