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コラム

災害時の「自粛」「不謹慎狩り」…〝30秒で泣ける漫画〟の作者が描く

災害時の「自粛」「不謹慎狩り」について、漫画家の吉谷光平さんが描きました。

漫画「不謹慎」の一場面=作・吉谷光平さん
漫画「不謹慎」の一場面=作・吉谷光平さん

 大災害が起きた時、楽しいことをするのは「不謹慎」で、イベントは「自粛するべき」なの? ツイッターに投稿した漫画「男ってやつは」が〝30秒で泣ける〟と話題になった漫画家・吉谷光平さんが描きました。

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漫画「不謹慎」=作・吉谷光平さん
漫画「不謹慎」=作・吉谷光平さん
 先日、withnewsに掲載された記事「災害のたび増える『自粛』 震災6年 検索ワードが語る『不謹慎狩り』」。ヤフーの検索ワードを分析すると「不謹慎」「自粛」が東日本大震災以降に増えていることがわかったと報じました。

 災害が起きるたびにネットなどで持ち上がる「不謹慎」の言葉。ここ10年の「不謹慎」という言葉の検索数を見てみると、東日本大震災直後に大きく跳ね上がっているそうです。

 その後は毎年の3月11日に多く検索され、全体的にじわじわと検索は増加。グラフにしてみると、最後に大きな山を作っているタイミングで熊本地震が起きているのがわかります。

 「不謹慎」と、同じ傾向を示しているのが「自粛」です。「活動自粛」などで、芸能関係の検索でも大きな山を作る言葉ですが、やはり東日本大震災以降、検索数は増える傾向にありました。
 
【withnews】災害のたび増える「自粛」 震災6年 検索ワードが語る「不謹慎狩り」
漫画「不謹慎」の一場面=作・吉谷光平さん
漫画「不謹慎」の一場面=作・吉谷光平さん
 何か災害が発生すると、誰かの発言や行動を批判したり、そんな批判を恐れて何かをすることをためらったり。そんな“空気”が震災以降、強まってはいるのでしょうか?

 「ネット炎上の研究」などの著書がある国際大学GLOCOMの山口真一講師は、こうした「不謹慎」批判の背景に社会のストレスがあると分析しています。

 「(震災後は)被災者以外の方も非常にストレスを感じています。テレビをつけると震災の情報。見続けると、だんだんストレスを感じ、いろんなことに敏感になったり、やや攻撃的になったりということがありえます」
 
【withnews】災害のたび増える「自粛」 震災6年 検索ワードが語る「不謹慎狩り」
漫画「不謹慎」の一場面=作・吉谷光平さん
漫画「不謹慎」の一場面=作・吉谷光平さん
 過剰な「自粛」「不謹慎」から抜け出すにはどうすればいいのでしょうか?

 山口講師は「不謹慎狩り」はごくわずかの人が批判しているという構造であること、そして、被災地などの当事者が何を必要としているかなど、「実態を知る」ことに尽きると答えています。

 「少し冷静になって、何でもかんでも批判が飛んでくるからやめようという空気を作るのではなくて、これは批判する人は出るかもしれないけど、それは少ないんだろうしやってみようと、そう思うことが大切です」
 
【withnews】災害のたび増える「自粛」 震災6年 検索ワードが語る「不謹慎狩り」
漫画「不謹慎」の一場面=作・吉谷光平さん
漫画「不謹慎」の一場面=作・吉谷光平さん

 【よしたに・こうへい】 漫画家。サラリーマン生活や漫画家アシスタントなどを経て、月刊スピリッツの「サカナマン」でデビュー。月刊ヤングマガジンの連載「ナナメにナナミちゃん」の単行本1巻が発売中。ツイッターで公開した2ページ5コマの漫画「男ってやつは」が〝30秒で泣ける〟と話題に。

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