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圧巻!6万個の「数字の森」 新美、全展示写真OKで2万RT投稿も
女の子と猫が隠れています。
201720182019202020212022……。東京・六本木にある国立新美術館(新美)では、開館10周年を記念し、6万ピースの数字が縦横に配置された色鮮やかなインスタレーション「数字の森」が30日まで展示されています(24日(火)は休館)。新美としては珍しく、展示全体の写真撮影が許可されていることから、ツイッターでは、2万リツイートを超える投稿が出るなどして話題に。作品を手がけたフランスのエマニュエル・ムホーさん(45)は「SNSが作品に触れるきっかけとなって、多くの人に見てもらえるのはうれしい」と話しています。
エマニュエルさんは、1996年から日本を拠点にしている建築家兼デザイナーです。「色で空間を仕切る。色で空間をつくる」と、色を三次元で見せる作品づくりを続けていて、これまでに「ABC Cooking Studio」の空間デザインや「巣鴨信用金庫」の建築などを手がけています。
新美によると、10周年を記念した展示を盛り上げようと、色彩豊かな作品を多く発表していたエマニュエルさんに会場のデザインを依頼したということです。
作品は、紙でつくった数字を糸で縦に10個つるし、2017~2026年までの10年の西暦を100列で表現。黄・ピンク・茶・緑・青・紫のグラデーションで1列ごとに異なる100色が使われています。延べ約300人のボランティアと7日かけて設営しました。
最近では、展示物の写真撮影を認める作品展が出て来ていますが、この「数字の森」もエマニュエルさんが了承していることや、どのポイントからの写真の撮影も許可されています。
新美によると、これまで一部の作品で撮影を許可したことはありましたが、全面的に写真撮影を認める展示は「珍しい」とのこと。ツイッター上では早速、「圧巻」「きれい」などといった投稿や、インスタには工夫を凝らした写真がアップされています。
emmanuelle moureauxさん(@emmanuellemoureaux)が投稿した写真 -
作品は、6万ピースの数字でできていますが、その中に女の子2人と猫一匹が紛れ込んでいて、それを探すという遊び心も盛り込まれています。エマニュエルさんに、作品に込めた思いやSNSで拡散していることなどについて聞きました。
――数字を作品に使った理由は?
「10周年ということで、2017年からの未来の10年を可視化しようと思ったんです。中を歩くことができるので、2017年から2026年への10年間を体感できるインスタレーションになっています」
「あとは、時間や値段など数字に私たちは慣れているので、身近に感じてもらえたらと思いました」
――色にこだわった作品づくりをするのは?
「1995年に初めて東京に来た時に、街の中にあふれている無数の『色』に衝撃を受けて。すごく美しいと思ったんです」
「そこから日本で住み始め、三次元の空間作りにおいて、色を大事な要素にした作品を作ってきました。今回も私が美しいと思う100色を選んだので、ぜひ体全身で感じてほしいです」
――ツイッターなどでも作品の写真が拡散しています。
「SNSがなければ、作品に触れるきっかけがない人もいると思うので、そうした人たちに見てもらえるのはうれしい。できるだけ多くの人にこの作品を感じてもらいたいです」
――作品には、女の子と猫が紛れていますが、どこにいるかヒントはありますか?
「女の子と猫は、数字の森に迷い込んだという設定にしています。探しながら、空間を長く楽しんでもらいたいという思いもあります。ヒントは教えられませんが、注意深く探してもらえれば、きっと見つかりますよ」
「数字の森」は30日まで開かれている「国立新美術館 開館10周年記念ウィーク」の一環。ほかに、映像作家・石田尚志さんの作品展示や美術館の建物を巡るツアー(事前予約制)などが企画されています。問い合わせは03-5777-8600(ハローダイヤル)。火曜日は休館です。
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