MENU CLOSE

エンタメ

「日活ロマンポルノ」はアートか? 名作生んだ「10分に1回の法則」

「ロマンポルノ・リブート」プロジェクトを記念して作られた展示スペース ※ロマンポルノのブースは現在はありません
「ロマンポルノ・リブート」プロジェクトを記念して作られた展示スペース ※ロマンポルノのブースは現在はありません 出典: 朝日新聞

目次

 「日活ロマンポルノ」って、エロいだけじゃないらしい。女一人でみるのは不安だけど、女性同士なら安心かも。20代から30代の女性4人が「団地妻」やら「のぞき穴」やら、当時の世界を体験。日活ロマンポルノをこよなく愛する映画担当の記者(男)に、色々聞いてみました。(構成 朝日新聞大阪本社生活文化部記者・伊藤恵里奈)

【PR】手話ってすごい!小学生のころの原体験から大学生で手話通訳士に合格

世界的な監督を輩出

 新宿武蔵野館。ここで日活ロマンポルノのリブート(再起動)プロジェクトの映画が上映されています。新宿駅近くの普通の映画館です。

 今回鑑賞する、塩田明彦監督の「風に濡れた女」のポスターを発見。他の映画と一緒に並んでいても、違和感がないタイトルとビジュアルですね。

 おっと、映画館の奥には怪しげなピンク……。日活ロマンポルノ・リブートプロジェクトを記念して、かつての名作を紹介する展示のようです。

ずらりと並んだポスター
ずらりと並んだポスター 出典: 朝日新聞

 

石飛編集委員

みなさん、こんにちは。朝日新聞東京本社文化くらし報道部で、映画を担当している編集委員の石飛徳樹(56)です。

 

4人
こんにちは~。

 今回の「日活ロマンポルノ体験&座談会」に集まったユリさん(24)、アヤカさん(28)、リカさん(28)、光藤ひかりさん(34)。アヤカさん以外はロマンポルノ初鑑賞です。

「ロマンポルノ」を見るために集まった4人
「ロマンポルノ」を見るために集まった4人 出典: 朝日新聞

 

石飛編集委員

みなさん、本日「風に濡れた女」を鑑賞する前に、日活ロマンポルノについて少々お伝えしますね。

 

石飛編集委員

 日活ロマンポルノは、日活が1971年から88年の間に約1100本の作品が出ています。10分に1回の濡れ場を入れておけば、後は何をやってもいい。ロマンポルノという形を使って、当時の監督たちは自由に表現できたのです。1100本もありますから、つまらない映画もたくさんありますが、その中で世界的な評価を得る作品や監督も出てきています。

 

石飛編集委員

「監督たちに自由に作らせよう」というロマンポルノの面白さを、もう1回復活させようとしたのが、今回のリブート企画です。

「映画のあらゆる要素が入っている」

 日活の企画編成部で、今回のプロジェクトを担当する高木希世江さんです。

日活の企画編成部の高木希世江さん。筋金入りのロマンポルノ好き
日活の企画編成部の高木希世江さん。筋金入りのロマンポルノ好き 出典: 朝日新聞

 

高木さん

高木です。映画として、ロマンポルノって面白いなと思いました。尺が70分くらいしかなくて、物語もシンプルなんですが、その中に映画のあらゆる要素が入っていて。最初みたときに「こんなに面白い映画があるんだ」ってびっくりしました。

 

4人

最初みたときは、一人でみたんですか?

 

高木さん

最初は映画祭でみました。面白かったのでもっとみたいと思って、男の子の友達についてきてもらって映画館でみるようになりました。でもスケジュールをあわせるのがだんだん面倒くさくなって。一人でみにいくようになりました。

「縛らせてください」

 

4人

へ~。嫌な思いをしたことは?

 

高木さん

SM映画をオールナイトでみたあとに、「お茶飲みにいきましょう」って誘われたんです。結構かっこいい男の人だったので、OKしたんですが。「縛らせてください」って言われて……

 

4人

えっ!

 

高木さん

「そういう趣味じゃないんですけど」って伝えたら、逆に驚かれちゃって。痛いのは嫌ですし。それ以外はあんまりないですかね。

 

アヤカ

私は壇蜜の新作を一人でみにいったときに、隣の席に男の人が座ってきて。席を替わっても替わってもついてくるので、冒頭10分で半泣きになりながら映画館を出ました……。

 

高木さん

そういう男の人っていますよね。映画館の人に相談してみるといいですよ。

 

アヤカ

ええ、相談してお金を返してもらいました。
ふすまが開く仕掛けの展示 ※ロマンポルノのブースは現在はありません
ふすまが開く仕掛けの展示 ※ロマンポルノのブースは現在はありません 出典: 朝日新聞

「あ、のぞき穴がありますね」

 

高木さん

これは「団地妻 昼下りの情事」(注:団地に暮らす主婦が売春をする物語)。私は2012年に旧作の特集上映を担当したのですが、そのときに結構若い女性のお客さんがいらっしゃって。今回もぜひみなさんに楽しんでいただきたいです。

 

4人

は~い。あ、のぞき穴がありますね。わお。
のぞき穴 ※ロマンポルノのブースは現在はありません
のぞき穴 ※ロマンポルノのブースは現在はありません 出典: 朝日新聞

 

石飛編集委員

お、のぞいてみると……。過去の名作の1シーンが。

 

石飛編集委員

こんなふうに記念写真を撮る場所もありますね。

 

壁に設置されている畳の上に布団のセット。布団の中に入って(立って?)記念撮影 ※ロマンポルノのブースは現在はありません
壁に設置されている畳の上に布団のセット。布団の中に入って(立って?)記念撮影 ※ロマンポルノのブースは現在はありません 出典: 朝日新聞

 

高木さん

では、みなさん、上映が始まりますよ

 いよいよ日活ロマンポルノの鑑賞です。次回は、実際に映画をみた感想をぶっちゃけ女子トークでお届けします。

     ◇

 「ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」は東京・新宿武蔵野館などで上映中。大阪・シネ・リーブル梅田など各地で順次公開。

【中編】「日活ロマンポルノ」女性たちの素朴な疑問 「AVと何が違うの?」

関連記事

PICKUP PR

PR記事

新着記事

CLOSE

Q 取材リクエストする

取材にご協力頂ける場合はメールアドレスをご記入ください
編集部からご連絡させていただくことがございます