ネットの話題
「あってはならない貧しさ」の深い溝 NHK貧困報道のネット炎上
NHKの報道をきっかけに起きた「貧困たたき」とは何だったのか? ニュースは8月18日に放送されました。ある県の「子どもの貧困」に関する会議で発言した女子生徒を取材した内容でした。ひとり親家庭で育ったこと、自宅アパートには冷房がないこと、パソコンが購入できないので練習のためキーボードだけを母に買ってもらったこと、などの生活状況が伝えられました。
放送後、ニュース映像に映った自室に高価な品があるなど批判の声があがりました。さらに女子生徒のものとされるツイッターの過去の投稿から、1000円以上のランチを時に食べたり、コンサートに行ったりしていたことがわかったとして、「ぜいたくだ」「貧困ではない」などの書き込みがネット上にあふれる事態となりました。
こうした動きに対して反論も次々と出ています。
東京・新宿では先月27日、最低賃金引き上げなどを訴える若者らのグループが、「生活苦しいヤツは声をあげろ 貧困叩きに抗議する新宿緊急デモ」を実施、女子生徒に「あなたは間違っていない」と呼びかけました。
未成年である女子生徒の個人情報をネット上にさらして中傷する行為は人権侵害であり、絶対に許されません。
ただし、このバッシングの爆発的な広がりは、「あってはならない貧困状態とは何なのか」という点で、社会の意識になお深い溝があることを浮き彫りにしました。
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