感動
パラリンピックのメダルに「音の贈り物」 金銀銅…色ごとにひと工夫
終盤を迎えたリオデジャネイロ・パラリンピック。メダルを振ると音が鳴るのをご存じでしたか? しかも、メダルの色によってその音色が異なるといいます。前回大会まではなかったリオ大会独自の取り組みです。目が不自由なアスリートたちが音だけでメダルの色を判別できるように…。そんな思いからメダルは生まれました。
実際にどんな音がなるのでしょうか。柔道(視覚障害)の女子70キロ超級の選手たちが協力してくれました。表彰式を終えた銅メダリストのコーチにお願いすると、「メダルの音が聞きたくて録音しているのね。鳴らして上げて」。選手も快く応じてくれました。
音色は「カシャカシャカシャ」といった感じです。
次は銀メダルです。こちらはウズベキスタンの選手。記者自らメダルを手に取って振らせてもらうと、選手からも「あ~」と声が上がっていました。
音色は「リンリンリン」でしょうか。
最後の金メダルは中国の選手。横にいたコーチにお願いしたところ、「大丈夫だよ」。チリチリとかわいらしい音が響き、周りにいたパラリンピックのスタッフも「グレイト!」と笑顔を見せていました。
夫婦でリオ大会に出場し、日本女子柔道勢で初の銅メダルを獲得した広瀬順子選手(57キロ級)は「選手村に帰った後も音を聞くとうれしくて、ずっと鳴らしている。すごく落ち着く」と話していました。
リオ大会の広報によると、メダルの中には小さなスチールの球が入っているそうです。金には28個、銀には20個、銅には16個とメダルの色によって数が異なり、金メダルが一番大きな音がするようです。また、メダルには点字で「リオ2016パラリンピックゲーム」と書かれています。
「これまでメダルにキスをしたり、かんだりしていたアスリートも、メダルを振って喜びを表現できるようになった」と広報担当者。
目の不自由な人への配慮から、リオでは新たな勝利のパフォーマンスが生まれています。
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