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女性アイドルオタクだった私たちが、乃木坂46に入った理由
「ハロプロ・モー娘。」に、気付いたら片想い
女性からの人気が高いアイドルグループ乃木坂46。その中でも人気メンバーの高山一実さん(22)と伊藤かりんさん(23)は、元々強烈な「女性アイドルオタク」だったことで有名です。高山さんはモーニング娘。の道重さゆみさん(卒業)が大好き。伊藤さんは乃木オタ(乃木坂46ファンの通称)で、高山さん推し。そんな2人に、聞いてみました。何で女性アイドルが好きなのですか? どうしてアイドルになったのですか?
――女性アイドルが好きになったきっかけを教えてください。
「子どもの頃から、キラキラしたものが大好きだったんです。夜に光るブレスレットとか、テーマパークで売っているキラキラしたグッズとか。『夢のクレヨン王国』というアニメが昔はやっていて、スイッチを付けると点滅するようなグッズを持っていたのですが、それを家で眺めることが大好きでした」
「クレヨン王国、懐かしい!」
「でしょ。そんなある日、高校2年生ぐらいの頃かな。テレビでハロープロジェクトさんの番組をやっていて、ライブの映像に衝撃を受けました。『一体、このアイドルの笑顔のキラキラさは何なんだ!』と(笑)。一気にはまりました。2014年11月に卒業されましたが、モーニング娘。の道重さゆみさんが大好きでした」
――伊藤さんはいかがでしょう。
「一実さんと同じで、私もハロプロさんやモー娘。さんの影響がとっても大きいですね。特にモー娘。さんの『真夏の光線』(1999年)が大好きで、そこからはまりました」
――ハロプロやモー娘。は、同性からの憧れが強かったんですね。
「今の女性ファンは、高校生から20代前半の方々が多いと思うんです。私と一実さん含めてですが、その世代の女の子だったら、誰もが女性アイドルへの憧れに似た感情を持ったことがあるんじゃないかな、と思います」
――「自分ってアイドルオタクだな」と、どういう時に意識しましたか?
「駄菓子屋さんにアイドルカードが売っているんですけど、私は小2の頃からそれを買い集めていました。ランダムで、どのメンバーが出てくるか分からないんです。『なっち!(元モー娘。・安倍なつみさん)だ、やった!』みたいな(笑)」
「あったねー、懐かしいな。私はとにかく、さゆみん(道重さんの愛称)が大好きで。もう、大好きで大好きで!高校の文化祭でクラス共通のシャツを作ったのですが、裏に自分の名前を入れる時に、本名の『KAZUMI』と入れるか『SAYUMI』と入れるか、真剣に迷いました」
――結局どちらに?
「さすがに、『KAZUMI』にしました(笑)。でも、その時強く実感しましたね。『私、アイドル大好きなんだなー』って」
――高山さんが道重さん推しだということは、周りでも有名でしたか?
「公言してたし、『ライブに行ってきたんだー』みたいな話をたくさんしていましたし、さゆみんのクリアファイルを見て『カワイイ、カワイイ』連呼していたので(笑)。周りも当然知っていました」
――アイドルを応援していた自分が、「アイドルになりたい!」と思ったきっかけは?
「テレビの前でモー娘。さんのDVDを見ながら、一緒に歌って踊っていました。もしメンバーが誰か病気やケガで抜けてしまっても、『私が代わりに入らせて頂きたい!』と思っていました(笑)。衣装も着てみたいし。その頃かな、自分がアイドルになりたいと意識し始めたのは。モー娘。さんの9期生オーディションに応募したのですが、残念ながら書類審査で落ちてしまいました」
「私は、父がずっと私を芸能界に入れたがっていて、キッズオーディションの数々を受けていました。アイドルも好きだったけれど、オーディションを落ちたことに悔しさを感じて、『アイドルになりたい!』という気持ちが徐々に芽生えたのだと思います」
――オーディションはどのぐらい受けましたか?
「小2ごろから、毎年何回かは応募していました」
――乃木坂さんの1期生オーディションも受けたそうで。
「はい。でも、落ちました。私が落ちたオーディションに受かった子たちはどういう人なのだろうという思いで乃木坂のイベントに行き続け、気付いたら応援していました(笑)」
――乃木坂46さんは他のアイドルグループと比べても特に女性ファンが多いと聞きます。メンバーとしての立場から見て、なぜだと思いますか?
「私が初めて行った、発足当初の乃木坂のイベントは、女性ファンは数えるほどしかいませんでした。1割にも全く満たないぐらい。でも今のように女性ファンが増えたのは、白石(麻衣)さんの存在が大きいと思いますね。アイドルに詳しくない私の周りの友人も、『まいやん』(白石さんのあだ名)という単語だけは知っているんです。乃木坂では、白石さんが初めて女性誌の専属モデルに選ばれたので、その活躍は大きかったと思います」
「同感です。今では6~7人ほどの乃木坂メンバーが女性誌のモデルをやらせてもらっていますが、ファッションショーで彼女たちがランウェイを歩くと、女性の歓声がとにかくスゴイんですよ。女性からも好かれているんだな、とうれしくなります。モデルとして活躍するメンバーが多いことが女性ファンが多い秘訣なのだな、と実感しますね」
――握手会で女性ファンが来た時は、やっぱりうれしいですか?
「うれしいですよ、もちろん!」
「女の子は特に名前を覚えてほしい子が多い気がします。私たちも頑張って覚えたいな、と思っています」
――伊藤さんは当初から、高山さん推しだったそうで。
「私の推しメンです。小さい頃は憧れるアイドルが好きだったけれど、大人になってからは親近感のあるアイドルが好きになりました。一実さんは人が良さそうという感じが全面に出ていて、顔が好みでした。それで、握手会に通い出しました」
「恥ずかしい(笑)」
――伊藤さんが握手会に来ていることを、覚えていますか?
「はい、もちろん。かりんちゃん可愛かったから。白い服を着ていたイメージがあるかな。可愛い子は特に印象に残りますよ」
「やっぱり、好きなアイドルに会いに行くんだから、できる限りのオシャレはしていましたね。髪もきちんとセットしたなぁ」
――女性アイドルを応援することは、どういう楽しさがありましたか?
「さゆみんと同じ髪形をして、さゆみん推しのTシャツを着て、サイリウムを持って会場に行って、曲に乗っかってさゆみんコールをする。あの楽しさは、何て伝えればいいんだろう? とにかく、超楽しいんですよ!」
「私の場合、応援している楽しさはもちろんだけど、それよりも『アイドルになりたい!』という思いが強かったですね。そういう気持ちでライブなどにも参戦していました」
――女性が女性アイドルを好きであることに否定的なことを言われたり、そういう現実に直面したりしたことはありますか?
「当時、さゆみんは超ブリッ子キャラで、女子受けが必ずしも良くはありませんでした。そんな時に、周りの女の子からは『どうして道重さんが好きなの?』と聞かれることは度々ありましたね。その都度、さゆみんの良さを伝えているうちに、否定的な意見が肯定的になりました。見事に、友人たちを洗脳したと思います(笑)」
「私の周りは、興味もないから理解しようともしない。だからと言って悪く言う人もいなかったので、それは救いでしたね。むしろ、当時CD代を捻出するためにバイトを頑張っていて、親に『そんなにCD代に消えて大丈夫?』とか『また朝から(イベント会場のある)幕張行くの?』と言われていました(笑)」
――今でも、可愛くてキラキラしたものに心躍りますか?
「もちろん!私は特にディズニーのキャラクターでダッフィー(テディベアのキャラクター)が好きです。私たちが『会いに行けるアイドル』であるように、ディズニーシーに行くとダッフィーに会えて、写真も撮れるんです。女の子はやっぱり可愛いものが大好きですよね。ああ、女に生まれて良かったー(笑)」
「私もディズニーが大好きです。ラプンツェルさんやシンデレラさん……。この間お休みの日に、夢の国に2日間張り込んでひたすら『写メ会』をしていました」
――間もなく、3期生が入ってくる乃木坂46さんですが、今後アイドルを目指す方々に、メッセージをお願いします。
「オーディションをめちゃくちゃ受けた身として言えることは、あまり自分を飾らず、その子の素を出した方がいいかな、と思います。仮にオーディションでしゃべることができなくても、それも個性だと。素を出し過ぎて失敗しちゃったな、ということもありましたが(笑)」
「大事なことは、冒険心かな。乃木坂のメンバーって実は、私たちみたいに元々アイドルが大好きでアイドルになった、という子がとても少ないんです。女性ファンがたくさんいてくださっている現状を、人一倍喜んでいるメンバーもいると思います。だから、アイドルに興味なかったけど、色んなことに挑戦したいから冒険してみる、という方もアイドルを目指してみるといいかもしれないですね」
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