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2016年04月07日

「ゆるく生きても、いいことねえぞ」PUFFY、脱力知らずの20年

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PUFFYの大貫亜美さん(右)と吉村由美さん=東京都渋谷区、西畑志朗撮影

PUFFYの大貫亜美さん(右)と吉村由美さん=東京都渋谷区、西畑志朗撮影

 20年前、Tシャツ&ジーパン姿で音楽シーンに現れたPUFFYのおふたり。シビアな世界を、独自のゆる~いスタイルで生き抜くには、何か秘訣(ひけつ)があるんでしょうか。脱力系と言われ続けた2人ですが、実は「私たち、脱力したことなんて一回もない」。その真意は? (聞き手・朝日新聞文化くらし報道部 岡田慶子)


「何もできなかったのに、何もしてないと見られてた」

 (吉村由美)昔の映像とか見たら、ああこれはダラダラしてるって言われるなっていうのは、思い当たる節はあるんです。衣装も最初はずっとスタイリストさんがいなくて、事務所のボス(男性マネジャー)が買って来てくれてました。何も知らないぶん、それが普通だと思ってたんですよ。現場に入るとTシャツだけコロンって置いてあって、デニムと靴は自前で、Tシャツだけ着替えるみたいな感じで。

 (大貫亜美)周りの人は素材がキラキラしてるとか。綿じゃないなとか、破れてないなとか。そういうのを見て、はぁ~ステキって。でも私は着られないなって。まあ、魚の目があるからヒールが履けないみたいな、そんな程度なんですけど。

 (由美)なんで現場に来てこんなドレスダウンしてんだかって思ったことはあります。でも、いまとなっては逆にありがたいなって。もし違うスタイルだったら、20年前の映像を見て「もうやだ、恥ずかしい」って言ってたかもしれないけど、それがないので。振りは南流石さんが付けてくれたんですけど、私たち何をやってもできなくって。私たちが歌うときのリズムの取り方を見て、これならできるんじゃないっていうのを提示してくれるんですけど、「これはできないな」「これをやると歌えないな」「これ難しいな」って、削いで削いで削いであの形になりました。

 (亜美)「ちょっとやってごらん」って言われて、できなくて。「オッケー、そこなしでいいや」っていう繰り返しでしたね。

 (由美)一生懸命で、何かをちゃんと伝えなきゃって思うがゆえに、何もできなくなってる自分がそこにいて。何もできなかったのに、何もしてないと見られてたんだなってのは思いますね。それが「ゆるい」「ダラダラしてる」って思われてたんだろうなって、いまになってわかります。

JAPAN国際コンテンツフェスティバルで並ぶPUFFYとピカチュウ=2007年9月19日

JAPAN国際コンテンツフェスティバルで並ぶPUFFYとピカチュウ=2007年9月19日

出典: 朝日新聞

「私たち20年間、脱力したことなんて一回もないので」

 (亜美)そんなつもりないんだけどっていうのは、ずっと思ってました。私たち20年間、脱力したことなんて一回もないので。「PUFFYさんはいつも自然体ですね」って言われることも多いですけど、私たちはそれをダメなものとして捉えてないので、あえてその時々に「そんなことないです」とは言わずにいて。「非脱力派宣言」っていうベストアルバムのタイトルも10年くらい温めてたんですけど、なかなかスタッフサイドがオッケーしなくて。「20年だから」って言って、ようやくオッケーが出た感じです。

 (由美)脱力してませんよって口に出して言わないと、みんなずっとそう思ってんだろうなって思って。自然体って言われても、人様の前に出ているときに自然体だったことは、一回もないですし。周りが脱力派って捉えるのはいいんですよ。個人が思うことだから、否定もしないんです。あの人毎日ガツガツ頑張って大変だねって思われるより、いいじゃないですか。PUFFYとして、苦労話をひけらかすのが美学じゃないって思ってますし。私自身、人の苦労話を聞くよりも、楽しい話を聞く方が気分いいじゃんって思うぶん、そうしようと思うんですよね。

 (亜美)2人で大変だったねって言い合えば終わることですし。アンケートでも「いままでの苦労話を教えてください」みたいなのがあったりするんですけど、そこまで本当に苦労したことは書かないでおこうと。恋愛話が苦手な人もいるじゃないですか。それと同じレベルで、自分の苦労話が苦手なんです。

 (由美)かっこよかった話をする方がラクじゃない?
 
 (亜美)子犬を助けたみたいな?(笑)
 
 (由美)おばあさんをおぶったみたいな(笑)

PUFFYの大貫亜美さん(右)と吉村由美さん。亜美さんの服には「ニート!」=東京都渋谷区、西畑志朗撮影

PUFFYの大貫亜美さん(右)と吉村由美さん。亜美さんの服には「ニート!」=東京都渋谷区、西畑志朗撮影

「脱力してできることなんて何もないんです」

 (亜美)日々のPUFFYの仕事を振り返ると、脱力してできることなんて何もないんです。だから脱力のしどきがわからないんです、20年やっても。

 (由美)「もっとやる気出せ」「頑張りを見せろ」って人もいるかもしれないけど、大丈夫。必死だから。見えてない、見てないだけでしょ。

 (亜美)由美ちゃんとは終始あははははって感じですけど、スタッフとはバッチバチですよ。

 (由美)「この曲は絶対シングルにしたい」「いや違う」みたいなこともありますし、ツアーも「今回はこんなテーマでいこう」「いや、こっちの方が面白い」とか。みんなが一生懸命考えてるから、ぶつかることもあります。PUFFYって名前を持って表に出てるのは2人ですけど、中にはものすごい人数がいるので。PUFFYってものをみんなで作り上げていこうっていう感覚ですよね。

 (亜美)私たち自身、ふんわりしてかわいらしいっていうのを目指したいって思ってないんですよね。それより仕事に対して、なんかいつも面白いことやってんなって思われたいです。

 (由美)いろんな人の意見を聞いて、いいな思ったらまずやってみようっていうのはあります。だって何にでもなりたいし、何でもやりたいし、色んなことに興味があるし。PUFFYで遊ぶじゃないですけど、そういう感覚で面白がってくれればいいなと思います。

 (亜美)頑張ってないよりは頑張った方が絶対いい。ゆるく生きても、いいことねえぞって言いたいです。頑張ってきてよかったなって思うのは、20年も同じ仕事を続けられてること。それが一番大きいですね。
     ◇
 パフィー 吉村由美(41)と大貫亜美(42)のデュオ。1996年、奥田民生プロデュースの「アジアの純真」でデビュー。20周年記念ベストアルバム「非脱力派宣言」が発売中。

 「PUFFYの『ゆるさ』」は4月9日発行の朝日新聞夕刊紙面(東京本社版)「ココハツ」と連動して配信しました。


変わらないPUFFY デビューから10年、20年、本気の「脱力」
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PUFFYの大貫亜美さん(右)と吉村由美さん=2006年6月13日、東京都内で、東川哲也撮影
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