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「早産は、妊娠何週未満で生まれること?」 約20人に1人が早産児
見た目では分からない困難もあります
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見た目では分からない困難もあります
日本では、およそ20人に1人が早産で生まれています。その早産とは、妊娠何週未満で生まれることか分かりますか? 早産の定義を知ると、自分の周りにも早産だった人がいたと気づくかもしれません。11月17日の世界早産児デーには、早産で生まれた赤ちゃんの成長を紹介する投稿がSNSで広がりました。
「Q1 早産とは、妊娠何週未満で生まれることでしょう?
A.37週未満 B.39週未満 C.41週未満」
「Q2 妊娠22週で生まれた赤ちゃんの体重の目安は?
A.約1000g B.約800g C.約500g」
11月に東京都内で開かれた「世界早産児デー」のイベントで、クイズが書かれたパネルが展示されていました。
11月17日は「世界早産児デー」。早産の課題や負担について知ってもらおうと、2008年にヨーロッパNICU(新生児集中治療室)家族会や提携する家族会によって制定されました。
クイズの答えは、「A.37週未満」と「C.約500g」です。多くの赤ちゃんは妊娠37~41週に3000gほどで生まれます。妊娠22週目の赤ちゃんの体重は、おおむね約320~618gになるそうです。
私自身、4年前に早産を経験するまでは、予定日よりも早い出産が「早産」なのかと思っていましたし、「世界早産児デー」の存在も知りませんでした。500gというとペットボトル飲料ほどの大きさで、両手に収まります。
人口動態統計によると、近年、早産の割合は5%台後半です。およそ20人に1人が早産で生まれるとされます。
早産で生まれると、おなかの中で十分に成熟できていないため、発達がゆっくりだったり、病気のリスクが高かったり、医療的ケアが必要なケースも。発達の遅れによる困りごとは、見た目ではわからないこともあります。
先日、予定日より3カ月ほど早い25週目に760グラムで生まれた大学1年の但馬芽吹さん(18)=東京都=を取材しました。現在は「新生児医療に関わりたい」と発達心理学を学んでいます。
小学生のころはハサミなどの細かい作業や着替えが苦手でした。勉強にはついていけた分、教師から「努力が足りない」と厳しい評価をされて傷ついたといいます。
本来の予定日は5月。2月に生まれたため学年も繰り上がり、同級生と話していても、自分自身の発言の幼さを感じることがあったそうです。
「まるで、一つ二つ上のお姉さんやお兄さんと話している感覚でした」
但馬さんは、多くの人に早産児の課題を知ってもらいたいと、高校の弁論大会やSNSで発信。当事者によるピアサポート団体も運営しています。
世界早産児デーの認知度を調べた調査もあります。
ベビー用品大手・ピジョン(東京都中央区)と、日本NICU(新生児集中治療室)家族会機構の調査では、世界早産児デーの認知度は早産児の親が96.0%に対し、早産を経験していない親は12.8%でした。
世界早産児デーの当日、SNSではハッシュタグ「#世界早産児デー」とともに、早産で小さく生まれた赤ちゃんの成長がつづられていました。
NICUの保育器の中で治療を受けていた写真といっしょに、現在の写真を上げる人。自身が小さく生まれたことを投稿する人。
自身が経験していなくても、周りに早産の知り合いがいなくても、当事者の声を見聞きすることで理解が広がることを願っています。

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