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「恥をかいてきなさい」宮崎元議員・妻の一言 危機管理のプロが絶賛
宮崎謙介・前衆院議員の不倫問題。記者会見前に、妻の金子恵美議員が放った「恥をかいてきなさい」という一言が、話題を呼んでいます。
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宮崎謙介・前衆院議員の不倫問題。記者会見前に、妻の金子恵美議員が放った「恥をかいてきなさい」という一言が、話題を呼んでいます。
「育休宣言」で注目された、宮崎謙介・元衆院議員=16日付で辞職=の不倫問題。記者会見前に、妻の金子恵美議員が、宮崎氏に放った「恥をかいてきなさい」という一言が、話題を呼んでいます。この一言、記者会見前にかける言葉として、適切なのでしょうか。日本リスクマネジャー&コンサルタント協会理事の石川慶子さんに尋ねると、「危機管理の視点から見ると、的確な後押しの言葉」との答えが返ってきました。
――金子議員の「恥をかいてきなさい」発言が、複数のメディアで報じられています。ツイッターでは、「度量が大きい」「それで許していいの?」など様々な反響が飛び交っています。
「企業でも著名人でも、不祥事会見で一番必要な心構えは『許されようと思って、会見を開いてはいけない』ということです。許されたいと思うと、どうしても自己弁護的な発言が多くなり、結果として社会から反省していないとみなされます。会見では、厳しい批判や質問を浴びて、火だるまになってもいいんだという覚悟が必要です。そうした意味で『恥をかいてきなさい』という言葉は、覚悟を促す適切なものだと思います」
――会見では、ただ批判を浴びればいいのでしょうか。
「記者会見でとても重要なのが、何を守りたいのかきちんと優先順位を決めておくことです。会社ならば企業イメージか、商品流通を止めないことか、従業員の安全か。優先順位に応じて、説明の流れや強調する部分が変わってきます。宮崎氏は会見の締めくくりで、妻の体調や子どもの将来への不安に触れて『私の辞職に免じて、ご容赦いただけますと幸いでございます』と話しています。この言葉通り、追い詰められた宮崎氏が自己保身をあきらめ、妻と子どもを守ることを目的の最優先に置いたのだとすれば、その目的は果たせたと思います」
――それは、なぜでしょう。
「大きかったのは、離党ではなく、議員辞職を表明したことです。不祥事による処分は、世間の想像より厳しいものにすることが必要です。想定内では、必ず社会から甘いじゃないかと言われてしまう。議員辞職は、宮崎氏が取りうる、社会的に最も大きな責任の取り方です。不祥事の経緯は同情できるものではありませんが、少なくとも会見では目的達成のため、やるべきことはやったと言えます」
――私たちも、職場や家庭で謝る必要に迫られることがあります。
「とにかく、危機の渦中にいる当事者は、頭が真っ白になって自分を客観的に見られない。事の重大さが分からないものなんですよ、本当に。不祥事がばれたことで自分を被害者のように感じたり、『運が悪かった』と思ってしまう。必要なのは冷静になり、自分の行動が誰を傷つけたのかをよく考えて、猛反省をすることです。そうすれば、おのずと、相手に伝わるお詫びの言葉が出てくると思います」
――なかなか、冷静にはなれません。
「反省する作業を、本人ひとりでやるのは難しい場合も多いですね。例えばタレントのベッキーさんは、質疑応答のない形ばかりの会見のあと、反省の色の見えないLINE画面が週刊誌に掲載され、致命傷となりました。謝罪は単に乗り切ればいいというだけではなく、過ちの重さを自覚する貴重な機会です。ベッキーさんの場合、その機会を生かせず、きちんと反省をするための周囲の助けも足りなかったのではないでしょうか」
「今回の金子議員の役割にも通じますが、家族や仲間が客観的に見てアドバイスをしてあげられれば、大きな助けになるでしょう。問題を放置すると、次にどんなことが起きるのか指摘してあげる。あるいは、徹底的に反省を求める。本人は指摘を受け入れ、冷静に自分を見つめるように努める。苦しい作業ですが、そのことが結局は、不祥事を早く収束させることにつながるのです」
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