話題
まるで生き物!「ストーンアート」 石を削らず描くだけ 作者に聞く
facebookやinstagram上で「石の芸術」が話題になっています。
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facebookやinstagram上で「石の芸術」が話題になっています。
facebookやinstagram上で「石の芸術」が話題になっています。作っているのはストーンアーティストのAkieさん。河原で見つけた動物のように見える石を彩色し、本物の動物のように仕上げます。手元の石を見ながら、動物の骨格や生態を調べ、石は一切削らないそうです。その理由は「石がそこにたどり着くまでのすべてを尊重したいから」。そんなAkieさんに詳しく話を聞きました。
寝転がりながら、上目遣いでこちらを見つめるライオン。首をかしげたミーアキャットに、大事そうに我が子を抱えるニホンザル……。造形から手がけた作品のように見えますが、すべて自然の石の形を生かして彩色された作品です。
埼玉県に住むAkieさんがストーンアートを始めたのは、今から5年ほど前。自宅近くの河原を歩いていて、ふっと石に目をとめた時「まるでウサギにしか見えない」と思ったのがきっかけでした。
実際に色を塗ったところ、近所の人たちの間で評判に。数々の作品を仕上げるうちに個展開催の誘いも来ました。現在は銀座の百貨店で展示・販売もされています。
店舗はありませんが、自身のブログやfacebook、instagramなどで作品を紹介すると「ステキすぎる」「神の手」と話題になり、人気が広っています。
時には「死んだペットの作品を作ってほしい」といった依頼も寄せられるそうです。苦手な英語で情報発信したところ、海外からも問い合わせが来るようになりました。
そんなAkieさんが作品を作る上で心がけていることなどについて、話を聞きました。
――もともと美術を専攻していたのですか
「ストーンアートを始めるまでは、中学校の美術講師をしたり、デザイン事務所で働いたりしていました。幼い頃から絵を描くのも、石を集めるのも好きだったのですが、河原で偶然その二つが結びついた感じです」
――制作にはどれくらい時間をかけるんですか
「絵を描くのは1日から3日ほどです。石に出会うまでが大変で、それに1カ月ほどかかることもあります。『まるで○○みたい』という石に出会うのって、すごい確率だと思います。出かけた先に河原があると、ついつい石ばっかり見てしまいます」
――どうやって制作するんですか
「まず、動物の骨格や生態を調べます。そして石をじっくり眺めながら、どこにどう描こうかを考えます」
――石を削らないそうですね
「キャンバスに絵を描くのは、自分の中にあるイメージや情熱を表現する作業ですが、ストーンアートは逆だと思うんです。『石がすべてを決める』という感覚です。石が河原にたどり着くまでに、いろんな過程があったはずです。それらすべてのことを尊重したい。ストーンアートは石という地球の欠片とのコラボレーションだと考えています」
――制作する上で心がけていることは
「最後に描く『目』です。生き物を描いているので、仕上がったときの『目が合う感覚』を大事にしています。手にとって石を見つめたときに、視線が返ってくるような感覚です」
――どんなときがうれしいですか
「手にとっていただくとき、ほとんどの方が動物に触れるように優しく扱ってくれます。そんなときに『イメージを共有できた』と思うと、うれしくなります」
――作品を見たい人にメッセージを
「ネット上だと二次元なので、すべてを伝えることはできません。実際に手にとっていただいたときの質感なども感じていただければと思います。みなさんに喜んでいただけるので、コツコツと頑張ることができます」
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