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東北新幹線、幻の愛称「みちのく」 ボツになった理由がやるせない
東北新幹線の開業前に国鉄が愛称を募集した時、1位に輝いたのが「みちのく」。東北らしい名前でしたが、逆にそれがあだとなり採用されませんでした。
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東北新幹線の開業前に国鉄が愛称を募集した時、1位に輝いたのが「みちのく」。東北らしい名前でしたが、逆にそれがあだとなり採用されませんでした。
今では「はやぶさ」の名称で知られる東北新幹線には、幻の名前がありました。開業前に当時の国鉄が愛称を募集した際、1位に輝いたのが「みちのく」でした。東北らしい名前でしたが、逆にそれがアダとなり採用されず……。幻の愛称になってしまいました。
東北新幹線は1982年6月23日に開業。東海道新幹線の車体側面のストライプが「青帯」なのに対して、東北新幹線は「緑帯」でした。当初は大宮―盛岡間の区間でまずはスタートしました。
最初の愛称は「やまびこ」「あおば」でしたが、その後「はやて」などが登場。現在は、九州行きブルートレインの愛称で親しまれた「はやぶさ」が登場しています。
しかし、東北新幹線の開業前に国鉄が愛称を募ったところ、別の名前「みちのく」が1位でした。9万2837通の応募のうち、6556票を集めしました。「あおば」は2位(3976票)、「やまびこ」は5位(2310票)でした。
なぜ「みちのく」は採用されなかったのか? 理由は、「みちのく」があまりにも東北らしい名前だったからです。
「みちのく」は陸前・陸中・陸奥・磐城・岩代の奥州5か国の古名で、語源は「陸奥国(むつのくに)」の古称「道奥国(みちのくのくに)」に由来すると言われています。
一方、東北新幹線は大型の雪よけなどの耐寒設備を整え、最高時速210キロで運転する当時の最新鋭車両。初めて首都圏から北を目指した「夢の超特急」である新幹線のイメージにはなじまない、という理由で却下となりました。
東北新幹線には、もう一つ、隠れた歴史がありました。東海道新幹線と、東京駅で相互乗り入れする構想があったのです。
しかし、電気の周波数が違う両新幹線で共用できる新車両の製造や、信号など制御系統の手直しには、多額の費用がかかることが判明。東京駅での乗降客数は東北よりはるかに多く、東海道側にとって直通運転のメリットが少ないことから、立ち消えになりました。
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