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まるで本物「わらアート」 武蔵野美大生ら、米どころ新潟に6作品
稲わらで作られた恐竜たちが、新潟市内の公園に現れて話題になっています
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稲わらで作られた恐竜たちが、新潟市内の公園に現れて話題になっています
稲わらで作られた恐竜たちが、新潟市内の公園に現れて話題になっています。作ったのは武蔵野美術大学の学生や地元の人たち。米どころ新潟の稲わらを生かした作品で、地元の魅力をPRしようという取り組みの一環です。9年前から始まった、このイベント。きっかけは、合併前の村が実施していた学生たちとの交流でした。
今年現れた「わらアート」はティラノサウルス、トリケラトプス、コブラ、カマキリ、カニ、アヒルの6作品。場所は新潟市西蒲区にある上堰潟(うわせきがた)公園です。大きな口を開いたティラノサウルスは、今にも動き出しそうな躍動感あふれる造形です。
これらの作品展示は「わらアートまつり」(新潟市主催)の一環です。きっかけは、新潟市と合併する前の岩室村と武蔵野美術大学の学生たちとの交流でした。
温泉が主要産業だった村の旅館で、ロビーを美術館に見立てて学生たちの作品を展示していたのです。そこから一歩進んで「米どころ新潟の稲わらを活用した催しをやろう」とアート作品が誕生したのです。
最初の2年間は1作品ずつでしたが、次第に数も増え、地域の特産品販売なども実施する現在の形になりました。
毎年、4月ごろに学生の参加募集が始まり、まずはイベントの告知ポスターを制作してもらいます。そして、学生がつくったわらアートのデザインをもとに、地元の業者が基礎となる木の骨組みを組み立て、農家のおばあさんたちがわらを編みます。それぞれの協働を経て、8月下旬に完成し、月末のイベントを迎えます。
今年、学生代表を務めたのは、武蔵野美術大学・基礎デザイン学科2年の谷口敦紀さん。制作中、台風が接近して高所での作業がはかどらず苦労したそうです。今年はアヒルのわらアートを水上に浮かべるなど、新しいことにも挑戦しました。今回を振り返って、こう話します。
「作品の規模が例年より大きく、水上など初めてのこともあって、新潟の方々に本当に助けてもらいました。みんなで作り上げた作品を、大人も子供も一緒に楽しんでいるのを見ると、参加できて良かったなと思います。ネットの反響も大きく、海外の方も多く注目してくださり、今年は、わらアートに新しい風を吹き込むことができたと思います」
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「わらアートまつり」は8月29、30日で終了しましたが、作品は11月1日まで展示予定です。会場など詳しくは、新潟市のホームページをご覧ください。
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