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口永良部噴火、ロケットに影響は? 種子島と目と鼻 過去に雷でも…

鹿児島県の口永良部島で新岳が噴火しました。約67キロメートル離れたところに、種子島宇宙センターがあります。ロケットに影響はあるのでしょうか?

「ひまわり8号」を載せ、打ち上げられるH2A25号機=2014年10月7日、鹿児島・種子島宇宙センター、本社機から、上田幸一撮影
「ひまわり8号」を載せ、打ち上げられるH2A25号機=2014年10月7日、鹿児島・種子島宇宙センター、本社機から、上田幸一撮影

目次

 鹿児島県屋久島町口永良部(くちのえらぶ)島の新岳(しんだけ)が5月29日に噴火しました。火砕流が発生し、噴煙は高さ9千メートル以上まで達しました。島に住んでいた人たちは東に約12キロ離れた屋久島に全員避難しました。実は、その屋久島からさらに東にある口永良部島から約67キロメートル離れたところに種子島宇宙センターがあります。噴火はロケットの打ち上げに影響はあるのでしょうか。宇宙航空研究開発機構(JAXA)に取材しました。

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【動画】「はやぶさ2」を搭載したH2Aロケット26号機、打ち上げ成功=2014年12月3日、鹿児島・種子島宇宙センター 出典: 朝日新聞デジタル:小惑星探査機「はやぶさ2」、打ち上げ成功 正常に分離

JAXA広報部「今のところ影響はない」

噴煙を上げる口永良部島=5月29日午前10時08分、屋久島町永田、屋久島うみがめ館提供
噴煙を上げる口永良部島=5月29日午前10時08分、屋久島町永田、屋久島うみがめ館提供

 JAXA広報部に取材したところ「種子島宇宙センターに直接的な被害がでていないので今のところ影響はない」との回答でした。ただ、噴火に伴うか否かに関わらず地震が発生した場合は、その都度打ち上げに影響がないか確認し問題がなければ作業を進める、と事前に定めているそうです。

イプシロン、桜島の噴火を警戒

内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられたイプシロンロケット=2013年9月14日午後2時、朝日新聞社機で撮影の動画から
内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられたイプシロンロケット=2013年9月14日午後2時、朝日新聞社機で撮影の動画から

 噴煙については事前に定めた条件はないそうです。新型の固体燃料ロケット「イプシロン」が2013年9月に鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられた際には、約55キロメートル離れた桜島が噴火。噴煙がまだ出ていましたが打ち上げ場から遠ざかる方向に風が吹いていたため、打ち上げに影響はないと判断しました。JAXAは口永良部島の噴火を機に、噴煙に関する基準を定めるかどうか検討しています。

「はやぶさ2」は雷や強風の恐れで2度延期

小惑星探査機「はやぶさ2」のCG=白井政行作製
小惑星探査機「はやぶさ2」のCG=白井政行作製 出典:朝日新聞デジタル:3Dで見るはやぶさ2

 昨年12月の小惑星探査機「はやぶさ2」の打ち上げは、悪天候で2度延期されました。強い風や雷を起こしやすい雲が上空を覆う恐れがあったためです。天候については、打ち上げ時は最大瞬間風速が秒速20.9メートルを超えないことなどの条件が事前に決められています。

①打ち上げ時の雨は1時間あたり8ミリ以下②雹(ひょう)などが降らないこと③積乱雲がロケットの航路上にないこと④半径10キロ以内に雷雲がないこと――、など気象条件だけでも10項目以上の制約がある。打ち上げの約12時間前に発射台へ機体を移動させるときにも、ほぼ同水準の制約がある。
朝日新聞デジタル:ロケット打ち上げ、こんなに繊細 はやぶさ2の再延期

H2Bロケット、夏ごろに打ち上げ予定

全長33メートルあるH2B5号機の第1段部分=愛知県飛島村
全長33メートルあるH2B5号機の第1段部分=愛知県飛島村 出典:朝日新聞デジタル
 三菱重工業は5月22日、国産大型ロケットH2Bの5号機の機体を、飛島工場(愛知県飛島村)で報道陣に公開した。今月末に船で種子島宇宙センター(鹿児島県)に運び、夏ごろに打ち上げられる予定だ。
朝日新聞デジタル:H2Bロケット5号機を公開 夏ごろ打ち上げ、2年ぶり

積み荷は無人補給船「こうのとり」

国際宇宙ステーション(下)のロボットアームが無人補給船「こうのとり」4号機に近づく様子=NASAテレビから
国際宇宙ステーション(下)のロボットアームが無人補給船「こうのとり」4号機に近づく様子=NASAテレビから

 積み荷は、国際宇宙ステーションに食料などの物資を運ぶ無人補給船「こうのとり」。4号機を打ち上げた2013年8月以来、2年ぶりとなります。この補給船については、宇宙探査など他の用途にも使えるよう改良する計画が進められています。

 太陽電池などの装置を1カ所に集めたうえで、自動車用など安価な部品を採用してコスト削減を図る。将来は貨物の搭載部分を置き換えて、軌道上の宇宙ごみを取り除いたり、月面着陸機を輸送したり様々な用途に使えるようにする。
朝日新聞デジタル:「こうのとり」改良、新宇宙船開発へ 文科省が表明

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