IT・科学
口永良部噴火、ロケットに影響は? 種子島と目と鼻 過去に雷でも…
鹿児島県の口永良部島で新岳が噴火しました。約67キロメートル離れたところに、種子島宇宙センターがあります。ロケットに影響はあるのでしょうか?
IT・科学
鹿児島県の口永良部島で新岳が噴火しました。約67キロメートル離れたところに、種子島宇宙センターがあります。ロケットに影響はあるのでしょうか?
鹿児島県屋久島町口永良部(くちのえらぶ)島の新岳(しんだけ)が5月29日に噴火しました。火砕流が発生し、噴煙は高さ9千メートル以上まで達しました。島に住んでいた人たちは東に約12キロ離れた屋久島に全員避難しました。実は、その屋久島からさらに東にある口永良部島から約67キロメートル離れたところに種子島宇宙センターがあります。噴火はロケットの打ち上げに影響はあるのでしょうか。宇宙航空研究開発機構(JAXA)に取材しました。
JAXA広報部に取材したところ「種子島宇宙センターに直接的な被害がでていないので今のところ影響はない」との回答でした。ただ、噴火に伴うか否かに関わらず地震が発生した場合は、その都度打ち上げに影響がないか確認し問題がなければ作業を進める、と事前に定めているそうです。
噴煙については事前に定めた条件はないそうです。新型の固体燃料ロケット「イプシロン」が2013年9月に鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられた際には、約55キロメートル離れた桜島が噴火。噴煙がまだ出ていましたが打ち上げ場から遠ざかる方向に風が吹いていたため、打ち上げに影響はないと判断しました。JAXAは口永良部島の噴火を機に、噴煙に関する基準を定めるかどうか検討しています。
昨年12月の小惑星探査機「はやぶさ2」の打ち上げは、悪天候で2度延期されました。強い風や雷を起こしやすい雲が上空を覆う恐れがあったためです。天候については、打ち上げ時は最大瞬間風速が秒速20.9メートルを超えないことなどの条件が事前に決められています。
積み荷は、国際宇宙ステーションに食料などの物資を運ぶ無人補給船「こうのとり」。4号機を打ち上げた2013年8月以来、2年ぶりとなります。この補給船については、宇宙探査など他の用途にも使えるよう改良する計画が進められています。