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IT・科学

史上最大の宇宙建築物 ISS廃棄、どうする? 迫る寿命あと5年

史上最大の宇宙建築物である国際宇宙ステーション(ISS)、実はあと5年の寿命です。どこに、どうやって落下させるのか。今から、議論が始まっています。

国際宇宙ステーション(ISS)=NASA提供
国際宇宙ステーション(ISS)=NASA提供

目次

 史上最大の宇宙建築物である国際宇宙ステーション(ISS)、実はあと5年の寿命です。どこに、どうやって落下させるのか。今から、議論が始まっています。

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宇宙ではどうやって用を足す? 国際宇宙ステーションの個室(左)とトイレのレプリカ
宇宙ではどうやって用を足す? 国際宇宙ステーションの個室(左)とトイレのレプリカ

使用期限は2020年まで

 ISSは2011年に完成した有人の実験施設です。15カ国の協力で運用しており、いまのところ使用期限は、2020年までとなっています。現在、6人の宇宙飛行士が滞在しています。2014年3月には宇宙飛行士・若田光一さんが日本人初のISS船長に就任しました。

地球に戻り笑顔を見せる若田光一さん=2014年5月、カザフスタン、福留庸友撮影
地球に戻り笑顔を見せる若田光一さん=2014年5月、カザフスタン、福留庸友撮影

大きさ、サッカーのピッチくらい

 ISSがあるのは、地上から約400km上空です。宇宙という環境の中で様々な実験や研究が続けられています。重さは420トン。面積はサッカーのピッチと同じくらいで、7898.8平方メートルもあります。

埼玉スタジアムの全景
埼玉スタジアムの全景

地球圏外への移動は不可能

 そんな巨大な建築物をどうやって処理するか。地球の重力の及ばない外へ運ぶことは経済的に不可能だと言われています。自然に落下させたい場合は、どこに落ちるか慎重に制御しなければいけません。

バラバラになって落下か

 落下させる場合、サッカーのピッチほどの建築物を、大気圏で燃焼させなければなりません。予想では、ISSは、様々なモジュールが組み合わさってできており、大気圏突入直後には、バラバラになって落下すると見られています。

「ミール」では大騒ぎ

 2001年には、ロシアの宇宙ステーション「ミール」が日本に落下するのでは?と騒ぎになったこともありました。結局、「ミール」は、ニュージーランド東方沖の南太平洋の、予定された海域に落下しました。

現在は北海道苫小牧市の科学センターにある「ミール」=2007年5月
現在は北海道苫小牧市の科学センターにある「ミール」=2007年5月
ロシアの宇宙ステーション「ミール」は二十三日午前(日本時間同日午後)、大気圏に突入して分解した。さらに約百三十トンのステーションの残がいのうち燃え残った破片がニュージーランド東方沖の南太平洋に予定された海域に着水した。管制センターは午前八時五十七分(同午後二時五十七分)にすべての作業が終了したことを宣言した。一九八六年に打ち上げられて以来、地球周回数にして八万六千三百三十一周目だった。
2001年3月24日:ミール、南太平洋に落下 NZ東方沖、地球を回り8万6331回目:朝日新聞紙面から

落下実験は断念、慎重に検討

 2015年2月、任務を終えたヨーロッパの補給機ATV5号「ジョルジュ・ルメートル」で、落下の実験計画がありましたが、電源装置の故障で断念しました。誰も経験していないISSの落下。的川泰宣・JAXA名誉教授は、朝日新聞の連載記事「宇宙がっこう」で「(ISSを)一体で落下させるか、分解して落とすか、慎重に検討されるでしょう」と述べています。

ISSから分離した直後のATV5号=NASA提供
ISSから分離した直後のATV5号=NASA提供

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