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2015年01月06日

行定勲監督、国内で断られ中国との合作に 「日本では大物釣れない」

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行定勲監督(左)。「円卓」では芦田愛菜さんを主演に関西で製作したが、最新作は中国との合作に。「今の日本映画の作り方では大物は釣れない」

行定勲監督(左)。「円卓」では芦田愛菜さんを主演に関西で製作したが、最新作は中国との合作に。「今の日本映画の作り方では大物は釣れない」

出典: 朝日新聞


 「GO」「世界の中心で、愛をさけぶ」などのヒット映画で知られる行定勲監督の最新作は、日本の製作会社に難色を示され中国との合作になりました。日本を代表する監督がなぜ? 背景には「わかりやすさ」を求める日本映画の現状があるようです。行定監督は「今の日本映画の作り方では大物は釣れない」と話しています。


「GO」でキネマ旬報主要各賞を総なめ

 熊本県生まれの行定監督は、98年に初作品を手がけました。2002年、初のメジャー作品となった5本目の「GO」が大ヒット。キネマ旬報主要各賞を総なめにしました。当時のインタビューでは「うれしいのは記録に残ること。公開が終わっても消えずに、永遠のものになる気がして」と語っています。

映画「GO」を監督したころの行定勲監督=2002年1月

映画「GO」を監督したころの行定勲監督=2002年1月

芸術家には2種類ある。自作について沈黙する人と多弁な人。映画監督で言えば、鈴木清順監督などは前者の代表か。在日韓国人の青春を描いた「GO」で、01年度ベストテン第1位をはじめ、キネマ旬報主要各賞を総なめにしたこの人は、典型的な後者だ。「どれだけインタビューを受けても全然疲れない。もっと話したいくらい」

出典: 2002年1月28日:行定勲さん 「GO」でキネマ旬報各賞総なめの映画監督(ひと):朝日新聞紙面から

窪塚洋介さん「自分って何だろう、真剣に考えるきっかけに」

 「GO」は在日コリアンの高校生を窪塚洋介さんが熱演しました。日本の高校に進んだ主人公と、日本の少女との恋に落ちます。それまで自分には関係ないと思っていた国籍のことを、なぜか彼女には言い出せない。そんな心情を描いた青春映画の傑作です。

 この時22歳だった窪塚さんは「映画の中の『広い世界を見るのだ』というセリフがとても気にいっていて、それはたくさんの価値観に触れて、その中から自分の気持ちのいい価値観をつかみとれということ。この作品と出あって、自分って何だろう、自分の生きている世界って何だろう、そんなことを真剣に考えるきっかけになりました」と話していました。

「GO」出演時の窪塚洋介さん

「GO」出演時の窪塚洋介さん

映画「GO」では在日コリアンの高校生を演じる。愛と友情、差別とけんかと自分探しの青春ストーリーだ。この作品は、自分の人生にとっても大きなインパクトを与えた。「映画の中の『広い世界を見るのだ』というセリフがとても気にいっていて、それはたくさんの価値観に触れて、その中から自分の気持ちのいい価値観をつかみとれということ。この作品と出あって、自分って何だろう、自分の生きている世界って何だろう、そんなことを真剣に考えるきっかけになりました」現在22歳。価値観がどんどん変わり、この先どこへ行きたいかもおぼろげに見え始めてきたというのだ。

出典: 2001年10月18日:何を言われようとおれはおれ、窪塚洋介は休まず攻め続ける(映画):朝日新聞紙面から

「セカチュー」などヒット作、次々と

 行定監督はその後も、「世界の中心で、愛をさけぶ」「北の零年」など、ヒットを飛ばします。2011年には、携帯向けのドラマ「パーティーは終わった」を手がけました。ドラマには、俳優の成宮寛貴さん、高岡蒼甫さん、林遣都さん、小出恵介さん、仲里­依紗さんらが出演しました。

 2014年には芦田愛菜さん主演の「円卓 こっこ、ひと夏のイマジン」を製作。芦田さんについて行定監督は「台本を読み込み自分なりに考えてせりふを言う。根っからの女優ですよね」と絶賛しています。

【動画】「ロト6が当たるといいなぁ、うふふ」と語る仲里依紗さん。行定監督の携帯ドラマのテーマ「妄想」について聞かれ・・・

芦田のプロ意識には、何度も舌を巻いたという。甘い飲み物を飲んだ芦田が「舌が肥えてしもてん」という場面がある。芦田は兵庫県出身、関西弁は生まれた時から親しんでいる。「でも、彼女はわざと間違えて発音したんですよ」。行定が理由をきくと、芦田は「私は絶対に使わない関西弁。きっと大人の言葉をまねして言っているシーンだと思い、間違えてみました」と答えた。「驚いた。台本を読み込み自分なりに考えてせりふを言う。根っからの女優ですよね」

出典:映画界「オール大阪」の陣 身の丈予算、準キー局結集 芦田愛菜主演「円卓」:朝日新聞デジタル

「今の観客には分からない」と難色示され…

 そんな行定監督の最新作「真夜中の五分前」は中国との合作です。ある時姉妹が事故に遭い、1人が死亡。生き残ったのは姉か妹か。答えが観客に委ねられるというストーリーです。そんな筋書きに、日本の製作会社は「今の観客には分からない」と難色を示したそうです。

 「製作者側が明快な物語を求める。観客を馬鹿にしているんです」と行定監督。結局、約4千スクリーンという、日本の総スクリーン3300よりも多い中国の映画館で先行上映されました。

「真夜中の五分前」主演の三浦春馬(右)

「真夜中の五分前」主演の三浦春馬(右)

中国では一足先に昨年秋、約4千スクリーンで封切られた。日本の総スクリーンが約3300だから驚異的な公開規模だ。中国の映画市場は近年成長が著しく、世界の熱い視線を集めている。

出典:「今の日本映画では大物釣れない」 中国と合作 行定勲監督:朝日新聞デジタル

「魚がいると分かった場所にしか餌を落とさない」

 行定監督は、今の日本映画の現状を次のように見ています。「魚群探知機で魚がいると分かった場所にしか餌を落とさない。今の日本映画の作り方では大物は釣れない。一握りの監督しか飯を食えない時代が来た」

 日本映画の製作本数は年間600本を超え、最盛期だった1950~60年代よりも多くなっていますが、ほとんどがビデオカメラのデジタル化で実現した超低予算映画。行定監督の最新作が中国との合作にならざるを得なかったのには、そんな実情があるようです。

「一握りの監督しか飯を食えない時代が来た」と語る行定監督

「一握りの監督しか飯を食えない時代が来た」と語る行定監督

日本映画の製作本数は年間600本を超え、最盛期だった1950~60年代よりも多くなっている。しかし、ほとんどがビデオカメラのデジタル化で実現した超低予算映画だ。「一握りの監督しか飯を食えない時代が来た」と行定監督はみる。この作品をきっかけにして、海外に可能性を求める作り手が増えていきそうだ。

出典:「今の日本映画では大物釣れない」 中国と合作 行定勲監督:朝日新聞デジタル


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