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得票率1割台で政権取る可能性 グラフで見る衆院選

得票数が減っても大勝利?得票率2割でも政権奪取?過去の衆院選のデータをグラフで見ると、意外な事実が見えてきます。

各政党の得票数をビジュアライズ
各政党の得票数をビジュアライズ 出典: E2D3の小副川健氏が作成

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 「2012年の衆院選で議席の6割を獲得した自民党は、民主党に大敗した2009年衆院選より得票数を減らしていた」。こういうと驚くかもしれませんが、事実です。現行の小選挙区比例代表制が採用された、1996年以降の衆院選の結果をグラフでまとめました。

得票が減っても選挙に勝てる?

 まずは、動画でご覧ください。(音声が出ます。記事で読みたいという方は下へ)

衆院選ごとの各党の総得票数と棄権・無効票 出典: E2D3の小副川健氏作成

 以下、改めて説明します。 

 過去の衆院選での各政党の得票数をまとめたこのグラフは、一つの点が10万票を意味します。丸く色が濃い点が小選挙区、四角く少し薄い点が比例区を示しています。縦軸が総得票数で、バーが長いほど、その政党の得票数が多いことになります。点の移動は、政党の得票数の増減にあわせています。

 1996年の衆院選。自民党の得票数は4004万票、獲得議席は239でした。第2党だった新進党は97年に解党したため、その他に入れています。公明党がゼロなのは、当時、新進党に合流していたためです。

 2000年、自民党の得票数は4188万票で233議席を獲得しました。この選挙から議員定数は20減って480となっています。

 2003年は、初のマニフェスト選挙でした。自民党は4674万票で237議席。民主党は4390万票で177議席。名実ともに2大政党となり、「その他」が激減しています。

 2005年は、小泉首相による「郵政解散」の選挙です。参院で郵政民営化法案を否決されて衆院を解散し、「抵抗勢力」との戦いを演出して大勝します。投票率も一気に上がりました。自民党は5840万票で296議席と圧勝しました。民主も4584万票に増えましたが、議席は113に減っています。

 2009年は、政権交代の選挙でした。リーマンショックで景気が低迷、失業・貧困問題に注目が集まりました。1年ごとに首相が交代する状況にも批判が高まり、民主党が政権を奪いました。投票率はさらに上がり、民主党は6332万票で308議席の大勝。自民党は4611万票で119議席でした。

2012年、自民党の得票数は減っていた

 2012年の衆院選は、現首相の安倍氏が率いる自民党が大勝し、政権を奪い返した選挙です。

 自民党は294議席を獲得しています。ところが得票数は4226万票。大敗した2009年よりも384万票減っています。投票率が10%低下、日本維新の会やみんなの党という「第三極」の躍進によって、自民党が票を減らしても圧勝できたことがわかります。

過去最低だった「得票率」

 自民や民主が6割を超える議席をとった年の結果を見てみます。有権者数から見た得票率は、2005年の自民党が28.3%、2009年の民主党が30.4%、2012年の自民党は20.3%です。これは現行の制度が始まった1996年以来、勝利した政党として最低の数字でした。

 朝日新聞の世論調査では、今回の衆院選に「大いに関心がある」と答えたのは21%。過去の調査では、郵政選挙前が47%、民主党の政権交代の際が49%、投票率が59%に下がった前回でも39%でした。

 2012年には第三極の躍進という要因もありましたが、投票率がさらに下がれば、今後、得票率1割台で勝利する例が出てくるかもしれません。

 今回のグラフは、チャート共有コミュニティE2D3の協力で作成しました。

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