話題
「幸福の科学大」不認可 上智・天理…他の宗教系大学との違いとは?
学校法人「幸福の科学学園」が来春、大学開学をめざしていましたが、文部科学省は「不認可」の判断を示しました。キリスト教など、他の宗教系大学とは違いは何だったのでしょうか?
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学校法人「幸福の科学学園」が来春、大学開学をめざしていましたが、文部科学省は「不認可」の判断を示しました。キリスト教など、他の宗教系大学とは違いは何だったのでしょうか?
学校法人「幸福の科学学園」が来春、大学開学をめざしていましたが、文部科学省は「不認可」の判断を示しました。キリスト教など、他の宗教系大学とは違いは何だったのでしょうか?
文部科学省の大学設置・学校法人審議会は10月29日、大学3校、大学院5校を来春新設することを認める答申を出しました。しかし、この中に学校法人「幸福の科学学園」が申請した幸福の科学大はありませんでした。
審議会が問題視したのは「霊言」でした。生きている人の「守護霊」を含め、数百事例が出版されています。審議会は「科学的合理性を立証できていない霊言(霊言集)を教育の根底に据え、大学の目的を達成できるとは認められない」として開設「不可」を答申しました。
カトリック修道会イエズス会が設立母体の上智大では「キリスト教人間学」は全学共通の選択必修科目になっています。同大広報グループは「キリスト教を理論的に考察し、神学に体系化された。学問として成り立っている」としています。天理大(奈良県天理市)は天理教学が選択必修になっています。
「霊言」と他の宗教系大学の「奇跡」との違いは何か。多くの研究者によって普遍化されているかどうか、がポイントのようです。文科省は、例えばキリスト教なら、キリストが生きた時代の歴史や聖書について理論が確立し、多くの研究者によって普遍化され、宗教学として成立しているとみています。しかし、幸福の科学の「霊言」は、「少なくとも学会などで議論されておらず、体系化され、普遍化されているとはいえない」と説明しています。
幸福の科学側は審議会の決定に対し、霊言集で批判しました。「学問の自由、信教の自由を侵害するものだ。科学的根拠が学問の前提というなら、キリスト教系大学などは成立しない。そもそも申請した教育課程は霊言を根底にしているわけではない」と主張しています。
一方、審議途中、宗教法人「幸福の科学」総裁で学園創立者の大川隆法氏が著した大学新設関連本が同法人グループから審議会委員や文科省幹部に多数送られたことから、「認可の強要を意図すると思われるような不適切な行為は極めて遺憾」との報告もありました。これにより、今後、幸福の科学大学は文科省の認可の基準により、最長で5年ほど認可されない見通しとなっています。