連載
#113 夜廻り猫
正月料理、初めて作ろうと思ったけど…手元に残ったのは 夜廻り猫
初めて「お正月らしい料理をつくろう」と思い立った男性ですが、海鮮系は高いし、お節の具材も値上がりしているし……。「ハガネの女」「カンナさーん!」などで知られる漫画家の深谷かほるさんが、SNSで発表してきた「夜廻り猫」。今回は、自宅で年末年始を過ごす男性のエピソードです。
寒風吹きすさぶ年末。夜の街を回っていた猫の遠藤平蔵は、心で泣いている涙の匂いをかぎつけます。
ひとりで料理をしていた男性は「一度くらい、正月らしい料理を作ってみようと思ったんだよ」と言います。
「高いのはアレだから、伊勢エビやアワビはパス」「海鮮も高いから、カズノコとか昆布巻きもパスで」と挙げていく男性。
「カマボコに伊達(だて)巻き、栗きんとんも高くなっていて……残った料理はこれ」
差し出したのは、具の入っていない「お雑煮」です。
遠藤は「残ったものがあった…」と顔をほころばせながら、「よかったら」とタンポポの葉っぱを差し出します。
「料理っぽくなった」と喜ぶ男性は、「餅と平和があればいい あ、酒もほしい」とお雑煮を味わいます。
遠藤も「確かに!」と声をあわせるのでした。
作者の深谷かほるさんは「急に高くなったお米の値段。そのうち下がるだろう、まさかこのままということはないだろう、と思っていたのですが下がりませんね」と嘆息します。
お店に並ぶほかの食料品もじりじりと値上がりしたり、中身が少なくなったり……。
「お正月の準備に、紅白のカマボコと伊達巻きを買うのですが、今年は3種類ミニサイズのセットが売っていました。安いわけではないな……と大きさと値段を確認しながら、ちびちびと買い物しました。全国民にお餅とカマボコと伊達巻きを!!」と話しています。
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