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マツケンサンバ、AKB48…「シルバー人材」のダンスに会場がわく

「東京シルバー人材センター」50周年でパフォーマンス

東京シルバー人材センター創設50周年を記念したイベント「Tokyoシルバー50周年フェス」で輝いていたシルバーは…
東京シルバー人材センター創設50周年を記念したイベント「Tokyoシルバー50周年フェス」で輝いていたシルバーは…

目次

ゴールドの着物に身を包んだちょんまげ姿の男性、チェックのスカートでダンスをする女性たち……。10月に開かれたイベントで、60歳以上のシニアたちがパフォーマンスを披露しました。重視しているのは完成度ではなく「健康」や「笑顔」です。

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「体操代わり」のマツケンサンバ

「みなさんも声を出していただいて、楽しみましょう!」

10月下旬に都内で開かれた、東京シルバー人材センター創設50周年を記念したイベント「Tokyoシルバー50周年フェス」。

キラキラ輝く着物を着た三鷹市シルバー人材センター会長の青木貞二郎さん(76)が、ステージ上から呼びかけました。青木さんがセンターの仲間たちと見せたのは、「マツケンサンバ」です。

この日は、青木さん率いる「Let's Dance Mitaka Silver(仮称/以下、Mitaka Silver)」の約20人がダンスを3曲披露しました。

曲の間にマイクで来場者に話しかける青木さんは少し息が上がっていましたが、「音楽を通して体を動かすと、魔法にかかったように元気になります」。

Mitaka Silverが立ち上がったきっかけは、2024年1月に開かれた新春交流会でした。

余興で青木さんをはじめ有志のメンバーがマツケンサンバを踊ったところ、会員に大好評。「正式に立ち上げましょう」と、昨夏10人のメンバーで結成したそうです。現在は26人が所属しています。

「マツケンサンバは体操代わりですね。末永く生きていこう、活躍していこうという意味で踊っています。今日の出来は、末広がりで88点です」

パフォーマンスを見た人は、「衣装も踊りもすばらしかった」「楽しかった」と笑顔で拍手を送っていました。

「マツケンサンバ」を披露した三鷹市シルバー人材センターの「Let's Dance Mitaka Silver(仮称)」
「マツケンサンバ」を披露した三鷹市シルバー人材センターの「Let's Dance Mitaka Silver(仮称)」

赤いリボンとチェックのスカート

Mitaka Silverよりもさらに多い46人でパフォーマンスを見せたのは、狛江市シルバー人材センターのダンスクラブ「チャーミーズ」です。ステージには全員が上がりきれないので、ステージの下にも分かれて踊ります。

水色のTシャツに赤いリボンとチェックのスカート。おそろいの衣装を身にまとった60~80代の女性たちが、AKB48の「会いたかった」や「ヘビーローテーション」、ゴールデンボンバーの「女々しくて」などの曲に合わせて踊りました。

「センター」に立つのは、狛江市シルバー人材センター常務理事で事務局長の池田あけみさん。「不動のセンター」ですが、それには理由があります。

「みなさんには、『踊りは覚えなくていいですよ』と伝えています。こまかく言われたくない年頃じゃないですか(笑)。私が振り付けや選曲をしているので、みなさん私の動きを見てまねして踊るんですよ」

月1、2回練習はありますが、参加は自由。覚えなくていいため、気軽に楽しめるそうです。

ルールは「主役はいつも自分自身。人のことは指摘しない」ということ。逆の動きをしたり、手こずったりしても笑顔で楽しむ姿勢が大切なのだといいます。

メンバーの中には、がんや脳梗塞、腰の手術などをして復帰した人もいるそうです。

池田さんは「楽しいから復帰したいと思ってもらえる。みなさん『今が生きていて一番幸せ』と言ってくれます。顔が輝いていますもん」と話します。

「こうやって高齢になっても楽しく踊っていると、若い人たちの夢や希望にもなるのではないかと思います」

狛江市シルバー人材センターのダンスクラブ「チャーミーズ」
狛江市シルバー人材センターのダンスクラブ「チャーミーズ」

シルバー人材センターで多岐にわたる活動

「Tokyoシルバー50周年フェス」を主催した公益財団法人「東京しごと財団」によると、イベントには1300人以上が訪れたそうです。

ステージでは、ほかにもコーラスや体操、盆踊りなど、合計6つのシルバー人材センターのパフォーマンスがありました。

シルバー人材センターとは、60歳以上の人が会員登録できる組織のこと。会員になると、センターが一般家庭や官公庁などから請け負った仕事を引き受けることができます。

会員は自身の経験やスキルを生かして植木の剪定や施設管理といった仕事や、小物類の販売、スマートフォン教室や空き家見回りといった自主事業など多岐にわたる活動をしていますが、共通しているのは「生きがい」です。

「Tokyoシルバー50周年フェス」では都内のシルバー人材センターのブースが出ていました
「Tokyoシルバー50周年フェス」では都内のシルバー人材センターのブースが出ていました

ことしは、東京シルバー人材センターの前身「高齢者事業団」が立ち上がって50周年の節目に当たります。設立当初は「生きがいを得るため」に働くことが目的でしたが、センターの役割には新たな側面が加わってきました。

東京しごと財団シルバー人材センター課の高野祐さんは、「働くだけの場所ではなく、つながりをつくる場所にもなっています。今回のイベントは、センター間の交流を深める『学園祭』のような位置づけでもありました」と話します。

「チャーミーズ」のダンスのフィナーレでは、すでにパフォーマンスを終えていた別のセンターの盆踊りチームが飛び入り参加してステージ脇で一緒に踊っていたそうです。

「観客も含め、会場が一つになって盛り上がる様子は、シルバーのパワーを強く印象付けるものでした」と高野さん。

「元気なシルバー会員が、活力ある地域の担い手として地域活性化に貢献し、高齢化社会を支えていく。それを実現する力がシルバーにはあると実感しました」

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