ネットの話題
子ども時代、1人で作っていた〝少女漫画雑誌〟に「天才」と称賛の嵐
「一生懸命描いていた気持ち、思い出せる」

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「一生懸命描いていた気持ち、思い出せる」
子どもの頃、自分が納得できる「かわいい」を追求して作った「ワンオペ漫画雑誌」を発信したイラストレーターの投稿が、大きな反響を呼びました。当時の熱意や、いまにつながる部分などについて、話を聞きました。
「小5から中2にかけてワンオペで漫画雑誌を制作していました」
私は小5から中2にかけてワンオペで漫画雑誌を制作していました。 https://t.co/vVnPWYjyIO pic.twitter.com/8SaR7dT0UM
— れんたま💎short動画 (@_RENTAMA_) May 7, 2025
一緒に投稿された写真は、「りぼん」や「なかよし」を彷彿とさせる、手描きの文字やイラストがところせましと描かれている、架空の少女漫画雑誌「はーと」。
ウィンクをした、目の大きな女の子が中央に配置され、その周りにはカラフルに書かれた漫画タイトルと作者名がぎっしり。上部には雑誌タイトルの「はーと」がピンクの大きな文字で書かれています。
「メルヘン 新れんさい!!おまかせティータイム(ハートの絵文字)」「ハートフルよみきり」「初!!外国人はーと作家!!」など、注目してほしい言葉の文字は大きくあしらわれ、文字の強弱も工夫が凝らされています。
この投稿には11万「いいね」がつき、「これが小学生からできたなんて。天才」との称賛の声や、タイトルに引きつけられ「読みたい」との声が寄せられました。
この投稿をしたのは、現在はSNSやYouTubeでイラストを発表している20代の「れんたま」さん。
漫画雑誌の表紙風イラストは、小学5年生から中学2年生までの間、数カ月に1枚のペースで描き続け、手元に10枚ほどが残っているといいます。
書かれたタイトルから「読んでみたい」という声もありましたが、実はほとんどは表紙のみ。「色んな絵を描くのが好きなので、表紙であれば、色んな設定でたくさんかけるなと思って、やってたんです」
漫画雑誌の表紙風イラストを描き始めたきっかけは、小学5年生のときに、友だちから女の子に人気の漫画雑誌「りぼん」をプレゼントされたこと。
それ以前から、アニメ「プリキュア」のオリジナルキャラクターを考えて描いたりするなど、キャラクターを描くのが好きだったというれんたまさんでしたが、りぼんの表紙を見たときのワクワクは格別だったといいます。
「いっぱい絵がかいてあるし、表紙もきらびやか。女の子がときめくものがいっぱいで感動したんです。それにあこがれて、私も描いてみようかなと思いました」
表紙のイラストを描くときには、漫画雑誌の実物をお手本にしていました。
「表紙をみただけでも、『開いたら面白いお話がみれそう』と思えるような『あおり』になるような文字や言葉、デザインを考えていました」
また、「短く可愛い単語」を集めてタイトルを決めたといい、「月刊はーと」から始まり、「月刊ほっぺ」、「月刊CUTE!!」と続けました。
中学2年生になると、漫画雑誌から離れ、単行本を読むようになったことで、特定の作品の二次創作などをするようになり、表紙風イラストからは卒業。
それでも、イラストを描くことは続けていました。
「家で宿題しようと思って、ペンをとると、寄り道しちゃって……。だいたい宿題は後回しにしてやってなかったし、授業中もひまなときは絵を描いていました」と笑います。
それほどに絵を描くことが好きだったれんたまさんでしたが、実は自分の絵を積極的に友だちに見せたりすることはなく、たまに、学校の掲示物に描くイラストや、文字のデザインを任される程度でした。
「まだまだうまくなれるし、まだ完璧ではないから人に見せるレベルではないと思っていました」
他の人の評価を必要としない一方で、イラストを描くモチベーションは、自分の中にあったといいます。
「自分が頭の中で考えていた、『ときめくもの』をうまくかたちにできた時に、うれしさを感じていました」
「いまになって振り返ると、昔のものは下手だなと思いますが、そのときはこれが一番上手いと思っていたし、そのとき一生懸命描いていた気持ちを今でも思い出せます」
小中学生の頃は、色鉛筆や鉛筆を使っていましたが、高校生になると、スマホのイラストアプリを使って、指で描くように。
そして、ipadを購入したいまは、アップルペンシルを使って、描き続けています。イラストの制作依頼を有償で請け負ったりすることもあります。
今回、子どもの頃にがんばって描いていたイラストに多くの反響が集まったことについては、びっくりしているという、れんたまさん。
幼かった頃の「黒歴史」の意味合いで今回の投稿をしたという、れんたまさんでしたが、投稿には多くの人から「才能がある」「いま編集者じゃないとおかしい」など、れんたまさんのイラストを誉めるコメントが付きました。「昔の私がいま、報われた気がします」
幼い頃の自分には「昔は自分のために描いていたイラストだったけど、大人になって他の人も楽しませることができるようになりました。無駄じゃなかったよ」と伝えたいといいます。
幼い頃に描いたイラストは「アイデアとして保存するため」、いまもクローゼットに眠っているそうです。
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