IT・科学
蛍光灯からLED照明への取り換え…まさかの出火?交換での注意点は
取り付け手順のミス、照明器具とランプの組み合わせの間違い…10年間で事故12件

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取り付け手順のミス、照明器具とランプの組み合わせの間違い…10年間で事故12件
LED照明に交換しようと思ったら、火や煙が出た――。不適切な方法で交換してしまったため、事故が起きた事例があるとして、独立行政法人の製品評価技術基盤機構(NITE)が注意を呼びかけています。蛍光灯の製造終了なども発表され、LEDに切り替わっていくなか、どのような点に注意が必要なのでしょうか。
「蛍光灯のLED化、正しくできていますか?」
「注意事項の確認を怠ると、最悪発煙・発火します」
X(旧Twitter)でそんな注意喚起をしたのは、製品評価技術基盤機構のNITEです。
NITEによると、不適切な交換をしてしまったために事故が起きたケースが、2015年~2024年の間に把握できているだけで12件あったといいます。うち8件では火災が起きているそうです。
特に注意が必要なのは、「現在の照明器具のまま、蛍光ランプをLEDランプに交換」するケースだといいます。
蛍光灯は私たちの生活から姿を消しつつあります。
2023年11月、水銀を包括的に規制する国際ルール「水俣条約」の締約国会議で、「直管形」「環形」の蛍光灯の製造と輸出入を2027年末で禁止することで合意しました。
住宅や商業施設で使われるおなじみの「コンパクト形」の製造と輸入は2026年末までが期限となっています。
パナソニックも2024年、それ以外の蛍光灯の生産も2027年9月までに終了すると発表しています。
一方で、昨年末時点で既設照明のLED化率は約6割(NITE調べ)にとどまり、これから交換を予定されているご家庭も多いのではないでしょうか。
交換するときにどんなことに気をつければ良いのでしょうか。
照明器具ごと交換する場合、天井に配線器具が取り付けられていれば基本的に工事は不要で、自分で照明器具ごと交換できます。
天井に配線器具がなければ業者に工事を依頼する必要がありますが、この場合はプロが作業をしてくれます。
事故が起きやすい「現在の照明器具のまま、蛍光ランプをLEDランプに交換」するケースで、NITEは下記の三つのポイントを挙げています。
①蛍光灯器具の点灯方式に応じたLEDランプを選ぶ
②LEDランプのパッケージや取扱説明書に記載されている注意事項を守って作業する
③ランプ交換後、異常がないか確認をする
①については、蛍光灯を取り付ける器具は点灯方式によって3種類あり、それぞれに適合するLEDランプがあるので、事前に確認することが特に重要だといいます。
また、ランプの交換時には必ず電源を切り、説明書をよく読み、取り付け手順を守ることも大事だといいます。
2021年には滋賀県で、蛍光灯器具にLEDランプを装着するときに蛍光灯特有の「点灯管」という装置を取り外さなかったため、点灯時に過電流が流れて異常発熱し、LEDランプが溶けるという事故が起きたそうです。
NITEは、「もし自分でランプだけを交換をする場合は必ず三つのポイントを守ってください」と話しています。
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