MENU CLOSE

連載

#104 夜廻り猫

「午後も頑張ってください」元気をもらえた笑顔と言葉 夜廻り猫

初めてのキッチンカーで注文したら……
初めてのキッチンカーで注文したら…… 出典: 夜廻り猫

薬をのんで、なんとか働いている男性。いつものキッチンカーが見つからず、新しいところで注文したら……。「ハガネの女」「カンナさーん!」などで知られる漫画家の深谷かほるさんが、SNSで発表してきた「夜廻り猫」。今回は、気分が沈んでいる男性のエピソードです。

【PR】「未来は自分たちの手で」あのヤンマーがTVアニメを作ったワケ

「なんか元気をもらえたんだ」

職場に話す人もいなく、抗うつ薬をのんで、なんとか働いている男性。

昼食時に外に出ると、いつものキッチンカーがなく、別のキッチンカーの男性と目が合ってしまいました。

「こういう時、逃げられない性格だ」と思いつつチキンカレーを頼むと、キッチンカーの男性は満面の笑みで「午後も頑張ってください」と袋を手渡してくれました。

夜の街を回っていた猫の遠藤平蔵は、その話を聞いて笑顔に。男性は「なんか元気をもらえたんだ」「また会えたら、『おいしかったです』って言いたい」と顔をほころばせます。

遠藤は「それはいい」「言いなされ言いなされ」と言いながら、子猫の重郎とともに「応援の舞」を踊るのでした。

「春はなんとなく苦手でした」

作者の深谷かほるさんは、「春は良い季節のはずですが、なんとなく苦手でした」と語ります。

進学や進級、就職――。「節目にまつわる『さぁ、テンション上げて頑張らないと』という空気にうまくついていけなかった記憶があるからかもしれません」と振り返ります。

年月が経った今は、「真新しいランドセルを背負いながらも下を向いて歩いている子を見ると、『大丈夫だよ、ゆっくりでいいよ、楽しくなるよ……』と心の中でエールを送ったりするのです」と話しています。

【マンガ「夜廻り猫」】
猫の遠藤平蔵が、心で泣いている人や動物たちの匂いをキャッチし、話を聞くマンガ「夜廻(まわ)り猫」。
泣いているひとたちは、病気を抱えていたり、離婚したばかりだったり、新しい家族にどう溶け込んでいいか分からなかったり、幸せを分けてあげられないと悩んでいたり…。
そんな悩みに、遠藤たちはそっと寄り添います。遠藤とともに夜廻りするのは、片目の子猫「重郎」。ツイッター上では、「遠藤、自分のところにも来てほしい」といった声が寄せられ、人気が広がっています。

     ◇

深谷かほる(ふかや・かおる) 漫画家。1962年、福島生まれ。代表作に「ハガネの女」「エデンの東北」など。2015年10月から、ツイッター(@fukaya91)で漫画「夜廻り猫」を発表し始めた。第21回手塚治虫文化賞・短編賞を受賞、単行本11巻(講談社)が2024年12月23日に発売。講談社「コミックDAYS 編集部ブログ」で月・金曜夜に連載中。スピンオフ「居酒屋ワカル」は講談社「コクリコ」で連載した単行本が11月22日に発売。

連載 夜廻り猫

その他の連載コンテンツ その他の連載コンテンツ

全連載一覧から探す。 全連載一覧から探す。

PICKUP PR

PR記事

新着記事

CLOSE

Q 取材リクエストする

取材にご協力頂ける場合はメールアドレスをご記入ください
編集部からご連絡させていただくことがございます