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東京都の救急出場〝過去最多〟更新、3年連続で 高齢者で顕著に増加

SNSでは不要な救急車の呼び出しを問題視する声が上がっているが……。※画像はイメージ
SNSでは不要な救急車の呼び出しを問題視する声が上がっているが……。※画像はイメージ 出典: Getty Images

目次

ニュースで社会保障の関連費用が注目されていることを背景に、SNSでは不要な救急車の呼び出しを問題視する声が上がっています。そんな中、東京消防庁は2月、救急隊の出場件数が3年連続で過去最多(速報値)を更新したことを発表。救急車を呼ぶかどうか迷う場面で、どう判断すればよいかについても説明しました。(朝日新聞デジタル企画報道部・朽木誠一郎)
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「3年連続」「後期高齢者で顕著に」

ニュースで2025年度予算案の社会保障費が注目されていることを背景に、SNSでは不要な救急車の呼び出しを問題視する声も上がっています。

そんな中、東京消防庁は2月10日、2024年の救急隊の出場件数が3年連続で過去最多を更新したことを発表、適正利用を訴えるとともに、緊急性がある場合には「ためらわずに救急車を呼んでください」と呼びかけました。

2024年中の東京消防庁救急隊の出場件数は93万5162件(速報値)、搬送人員79万7761人(速報値)と、ともに過去最多を更新。出場件数と搬送人員は近年、増加傾向にあり、2020、21年に新型コロナウイルスの影響などにより一時的に減少したものの、その後、3年連続で過去最多件数を更新しているといいます。

救急出場件数は、例年、夏と冬に多い傾向にあり、2024年はこれらの時期の出場が顕著に増加、日別の救急出場件数の歴代上位10日間のうち8日間が同年に更新されました。

また、2024年の救急出場の傾向を10年前と比較すると、特に75歳以上の後期高齢者の搬送が他の年齢層と比較して顕著に増加していました。同庁は「今後も高齢化は進展することから救急出場件数がさらに増加することが予想されます」としました。

もう一つ、最多を更新したのが「熱中症」による救急搬送です。夏に増加する傾向があり、2024年6月から9月までの熱中症による搬送は7993人で、これまで最多だった2018年同時期の7960人を上回りました。

 

受診ガイドや相談窓口を活用して

東京消防庁は、このような状況を受け、都民に向けて「救急車を呼ぶか判断に迷うような場合には『東京版救急受診ガイド』や『東京消防庁救急相談センター』を活用してください」と呼びかけています。ただし、緊急性がある場合には「ためらわずに救急車を呼んでください」ということです。

では、「緊急性」の判断はどのようにしたらいいのでしょうか。「東京版救急受診ガイド」は、日本救急医学会監修、東京都医師会救急委員会救急相談センター運用部会が作成し、東京消防庁が編集・発行する、主な症状に応じて救急車を呼ぶべきかの緊急度判断に役立つウェブサイトです。

病院を探したい場合は、サイト内の病院情報ページから受診可能な病院を検索することもできます。

▼東京版救急受診ガイド【東京消防庁】
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/hp-kyuuimuka/guide/main/index.html

それでも判断に迷う場合には、「『東京消防庁救急相談センター(#7119)』にお電話ください」と同庁は案内します。

「直接看護師と病気やけがの緊急度について相談をしたり、受診可能な病院を調べたりすることができます。また、相談内容から緊急性があれば119番へつなぐことも可能です」

▼東京消防庁救急相談センター【東京消防庁】
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/kyuu_adv/soudan-center.html

同庁は「救急車の要請が多く、近くの救急車が出場している場合、遠くにいる救急車が出動することになり、到着までに時間がかかることがあります」「救命処置が必要な方など、一刻も早く、真に病院に行く必要のある人のもとに救急車が到着できるよう、救急車の適時・適切な利用にご協力をお願いします」とコメントしています。

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