MENU CLOSE

エンタメ

HKT48竹本くるみさん「Wセンター〝いぶくる〟は戦友」の思い

HKT48の竹本くるみさん=2024年12月、福岡市、いずれも松村北斗撮影
HKT48の竹本くるみさん=2024年12月、福岡市、いずれも松村北斗撮影

目次

福岡が拠点のアイドルグループHKT48。最新シングル曲のWセンターのひとりを務める竹本くるみさん(20)は、難しいダンス曲はクールに、アイドルソングではかわいさ全開で、ライブではさまざまな表情を見せてくれます。そんな竹本さんに、高いプロ意識とストイックさに裏打ちされたパフォーマンスや、設立14年目に入ったHKT48への思いを聞きました。

【PR】聞こえない人たちが導いてくれた手話の世界~フリーで活躍する手話通訳士

「ダンスがうまい」からアカペラの歌唱まで

2024年11月、福岡市で開かれたHKT48の13周年記念ライブ。竹本さんはメンバー5人で「夏の前」をアカペラで披露しました。ダンスに定評がある竹本さんですが、最近はライブで生歌を披露する機会が増えています。

「歌唱で先頭に立つのは初めて。しかも後輩メンバーが多かったので不安もあったのですが、歌い方を研究して自宅で練習したほか、一人でカラオケに行って何度も練習して臨みました」

会場は拍手に包まれましたが、「まだ歌えただけ、下手だと自分では感じたので、レベルアップしていきたいです」といいます。

元々ダンスが得意なメンバーとして知られていました。「小さいころにバレエを習っていて、体の軸がぶれにくいところは自信があります。毎回ここはこのポーズで決める、ここは美しく、と意識して踊っています」

身長147センチと小柄なため「だれよりも大きく踊らないと目立てない」。体幹や背筋を鍛えるため、体幹トレーニング「プランク」のポーズのまま、1曲歌うことを毎日続けているそうです。

出演した劇場公演やライブの動画を見返して、自分の動きや表情、カメラやファンへの目線を反省して、次の劇場公演に臨んでいます。

「次の公演での自分の成長が楽しみで、それがモチベーションにつながります」

チームKⅣの劇場公演で歌う竹本さん(右)と6期生の江口心々華さん=2025年1月
チームKⅣの劇場公演で歌う竹本さん(右)と6期生の江口心々華さん=2025年1月

オーディション「受けない」と思っていたけれど

2023年12月発売の「バケツを被れ!」、2024年9月発売の「僕はやっと君を心配できる」と2作連続で石橋颯さん(19)とWセンターを務める竹本さんですが、その道は順風満帆ではありませんでした。

インタビューに答える竹本さん=2024年12月、福岡市
インタビューに答える竹本さん=2024年12月、福岡市

東京都出身の竹本さんは小学生のころ、AKB48の渡辺麻友さん(卒業)のファンで、握手会にも通っていました。

その渡辺さんがHKT48の矢吹奈子さん、田中美久さん(ともに現在は俳優、タレントとして活動)をかわいいと気にかけているのを見て、奈子さんの握手会にも行くようになったそうです。

自分もアイドルになりたいと48グループだけでオーディションに8回、応募します。AKB48、HKT48の4期生とドラフト3期生、 NGT48――。いずれも書類審査で落選でした。

転機となったのは2018年夏に行われたHKT48の5期生オーディション。中学3年生だった竹本さんは、「自信を失ってしまっていて、高校受験も控えていたので『もう受けない』って思っていた」そうですが、母親に突然、「明日福岡に行くよ」と言われます。

6月に5期生オーディションの一貫で開催された「セミナー」に参加するためでした。現役メンバーが参加者と直接話して、活動内容や、参加者の質問に答える企画です。

竹本さんを見かけた田中美久さんらメンバーが、「かわいい子がいる」と劇場支配人に伝えたそうです。この時点で、竹本さんは応募していませんでしたが、後からHKT48の運営関係者から応募を促され、合格します。

お披露目まもない2018年12月に東京都内で開かれたライブで歌う竹本さん(右)と石橋颯さん
お披露目まもない2018年12月に東京都内で開かれたライブで歌う竹本さん(右)と石橋颯さん

「やめよう」と思ったことも 転機は…

加入後も、すぐ脚光を浴びたわけではありません。

天真爛漫さが魅力の石橋さんはお披露目からセンター。竹本さんも3番手でいい位置でしたが、東京への出張公演の際に5期生6人の出演メンバーに選ばれないなど、「序列が落ちたと感じた」出来事が続きます。

「当時は本当に負けず嫌いで、入った当初は、私がセンターと思うくらい自信に満ちていたのですが、どんどん自信がなくなっていきました」

折しも2020年春から新型コロナの世界的流行が始まり、ライブや劇場公演ができなくなります。「たくさん劇場公演に出て、ファンの方に自分を知ってもらう時期にそれができなくて、ずっと同じ環境のまま過ごすという感じでした」

自分はだれよりも出来る、といった強気な一面と、大丈夫かなと物事を気にしがちな面が交錯していると自分の性格を分析する竹本さん。

「どうやったら成長できるか。自宅で過ごす時間も長かったコロナ渦は、すごく悩んでいました」。グループをやめようと思った時期もあったそうです。

そんな竹本さんの背中を押してくれたのが2021年5月発売のシングル「君とどこかへ行きたい」でのシングル初選抜。もう一つが1期生で当時チームKⅣキャプテンだった本村碧唯さん(卒業)を中心に、HKT48のダンスがうまいメンバー有志が参加したグループ内ユニットでの活動でした。

本村さんは竹本さんを「小さな大天才」と評価します。

「ここに選んでもらえて、自分はダンスを個性にしていいんだと自信をもらえました」

ユニット加入後、ますますダンスの練習に熱が入ります。授業のない時は、朝から12時間、レッスン場の鏡の前で自主練習を続けたそうです。もっとうまくなりたい。先輩を超えたい――。

「『毎日ずっと練習しているね』とダンスがうまい先輩に声をかけられて。気にかけてくれているのがうれしかったです」

この頃から、ライブでダンスが難しい曲のセンターに立つ機会も増えてきました。

10周年記念公演でダンス曲「Make noise」をセンターで披露した=2021年11月
10周年記念公演でダンス曲「Make noise」をセンターで披露した=2021年11月

2023年度からは4年制大学にも通っています。

「父親は、今は応援してくれていますが、元々アイドルになることに反対で、大学に行って就職してほしいという考えでした。大学に進むことを相談したらすごく喜んでくれたので、アイドルにさせたかった母親と、両方の夢を叶えられると思って行くことにしました」

アイドルの活動を支える裏方に興味があり、それに役立つ分野を学んでいるそうです。

そして、2023年12月発売のシングル曲「バケツを被れ!」で石橋さんとの「いぶくる」コンビで初のWセンターを務めます。

バケツを被れ!の新曲発売記念イベント=2023年12月、東京・池袋
バケツを被れ!の新曲発売記念イベント=2023年12月、東京・池袋

石橋さんは2024年7月に取材した際、竹本さんのことを、「性格が真逆、ポジティブと冷静というか。くるちゃんが絶対無理って言っているのを、私が大丈夫と言って励ます感じで、いいバランスだと思います」と話していました。

竹本さんにとって石橋さんはどんな存在なのでしょうか。

「最初は颯が別格で、私はそれに追いつかなければ、という感じでした。それが、2021年4月に研究生から昇格してKⅣに入り、同じチームになってから話す機会が増えて、お互いプロ意識を持っていて、アイドルとして向き合う目線は同じだと感じるようになりました」

石橋さんは2023年にチームHに移りますが、Wセンターとしてこの1年活動してきました。

「戦友みたいな関係です。お互いを意識してより努力して輝いていける、いい存在だなと、思っています」

アカペラで「君とどこかへ行きたい」を歌う竹本さん(左)と石橋颯さん=2024年5月、東京・渋谷
アカペラで「君とどこかへ行きたい」を歌う竹本さん(左)と石橋颯さん=2024年5月、東京・渋谷

センターの責任感よりも「自分も、みんなも楽しく」

人気メンバーをはじめとした先輩や同期が卒業していく一方、6期生、さらに昨年加入の7期生と後輩が増えて、活動の中心を担いつつあります。HKT48の良さや魅力を後輩にどう伝えて、広く発信していきたいか、尋ねました。

「センターしての責任感をあまり強く感じるより、自分が楽しまないとみんなが楽しめない。元気や楽しいというHKT48の良さが出せないと思うので、明るく振る舞って、とにかくみんなが楽しい場を作ろうと意識しました」

みんな仲良く、はHKT48設立時からのモットーです。

チームKⅣの劇場公演=2025年1月
チームKⅣの劇場公演=2025年1月

「例えばお弁当が楽屋にたくさん置かれているとき、先輩からの年功序列ではなくて早いもの勝ちで取っていきます。先輩が率先して『早いもの勝ちだよ』と呼びかけて、後輩が先に取ったら、『あー取られた』って場が盛り上がる。そんな楽しい雰囲気を大切にしています」

ファンの間で、ライブが楽しい、ライブが魅力と言われるのも伝統です。

チームHの劇場公演。この日は3期生の荒巻美咲さんの卒業公演だった=2024年12月
チームHの劇場公演。この日は3期生の荒巻美咲さんの卒業公演だった=2024年12月

「ライブの魅力を伝えたい。劇場公演でも先輩が後輩に楽しく絡んだりするのも魅力だと思います。一方、パフォーマンスで真剣な部分、ここは決めるとか、ここはふざけないとか。毎回の公演でも来てくださる一人一人に感謝の気持ちを込めて、メリハリをつけたパフォーマンスをすることを大切にしていきたいです」

パフォーマンス面も、アイドルとしての意識の持ち方でも、後輩のお手本になる先輩でありたいと日々思っているそうです。

TOKYO IDOL FESTIVAL(TIF)のステージで歌う竹本さん(左から2人目)=2023年8月、東京・お台場
TOKYO IDOL FESTIVAL(TIF)のステージで歌う竹本さん(左から2人目)=2023年8月、東京・お台場

「努力してもなかなか選ばれなかったという思いが自分にある分、いまは努力したら選抜に入れることを伝えられるように、自分は怠けてはいけないと思って、活動しています」

そして、こう続けます。

「選抜はだれでも入れる場所ではない。そして、入っても努力しないとだめだということを後輩たちに伝えていきたいです」

最後に2025年のグループとしての抱負を聞きました。

「歌、ダンス、トークそれぞれ上手な、個性豊かで色鮮やかな、若いメンバーがそろっているので、その子たちを前面に出して新しい風を吹かせていけば、フレッシュな魅力を見せられると思います。そして、先輩たちもそれには負けてられない、先輩と後輩で向上させ合うと、よりよいHKT48になっていくのかなと思います」

関連記事

PICKUP PR

PR記事

新着記事

CLOSE

Q 取材リクエストする

取材にご協力頂ける場合はメールアドレスをご記入ください
編集部からご連絡させていただくことがございます