よく知られるヘルスケアブランドの製品が販売されていると称する偽サイトがあると、消費者庁が注意喚起をしました。SNSで広告が表示され、リンク先のウェブサイトで商品を注文したところ、当該ブランドとは関係のない商品や模倣品が届いたなどという相談が、各地の消費生活センターなどに寄せられています。(朝日新聞デジタル企画報道部・朽木誠一郎)
消費者庁は8月下旬、ヘルスケアの人気ブランド「オムロン」の偽サイトについて、注意を呼びかけました。
同庁によると、ブランドのロゴを使用したヘルスケア製品に関する広告がInstagramやFacebookに表示され、当該広告のリンク先のウェブサイトで商品を注文したところ、これらのブランドとは関係のない商品や模倣品が届いたなどという相談が、各地の消費生活センターなどに寄せられているそうです。
全国の消費生活センターに、今年1月から6月までの間に、これらの偽商品に関する相談が121件あり、支払総額は計約100万円に上るといいます。
消費者がスマートフォンでInstagramやFacebookなどのSNSを見ていると、オムロンのブランドロゴに併せて、ヘルスケア製品の画像が、あたかもオムロンの正規品を販売しているかのように表示される、ということです。
事業者は「血糖測定」などとうたう腕時計型のウェアラブルデバイス2種と「スマートミニマッサージャー」と称する機器を1つ約5千円で販売していました。オムロンの広報担当者によると、血糖値を測定するウェアラブルデバイスは、オムロンのブランドでは販売していないといいます。
また、複数購入すると割安になるなど、消費者の購買意欲をあおるような表示がされることもあるといいます。
消費者が偽広告内の「購入する」などと表示されたリンクを押すと偽サイトに移行、偽サイトには「本日限定、2台で4990円!」など複数台を購入すると単価が安くなることや大幅に値引きしている旨が表示されたものもありました。
偽サイトには、問い合わせ先として日本語などで「公開メールアドレス」などと称するメールアドレスが表示されているものの、事業者の名称や連絡先の電話番号が表示されていないものが多くありました。
また、偽サイトの中には「スマー ト頸椎マッサージャーい」「耳をふさがらなく・・・」など不自然な日本語が表示されたものもありました。
しかし、事業者が偽サイトを通じて消費者に販売した商品は、オムロンの場合はオムロンとは関係のない商品でした。オムロンのブランドロゴの表示はなく、また、取扱説明書が入っていなかった、または取扱説明書に日本語の表記がなかったということです。
また、同様の手口でオーディオ製品を製造・販売するambie(アンビー)のワイヤレスイヤホンの模倣品を販売するサイトもあり、あわせて注意喚起されました。
消費者庁は被害に遭わないためのアドバイスとして「ブランドロゴが表示されているだけでは危険」「URLやドメインに違和感はないか」「特定商取引法に基づく表示はあるか」「極端な割引を行うかのように示すものでないか」「不自然な日本語の表示はないか」「商品代金の支払方法が限定的ではないか」をチェックしてほしいと呼びかけています。