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ツバメが巣を作ったら?見守り方は?「応援団ハンドブック」のススメ

かわいいイラストを使った「あなたもツバメ子育て応援団」ハンドブック
かわいいイラストを使った「あなたもツバメ子育て応援団」ハンドブック 出典: 朝日新聞社

目次

家にツバメが巣をつくったけど、どう見守ればいいのかわからない……。ツバメは全国的に減少傾向にある一方、鳥類では珍しく「好んで人の生活圏内で繁殖をする鳥」でもありますが、その子育てをどう見守ったらいいのでしょうか。「あなたもツバメ子育て応援団」ハンドブックを制作した「日本野鳥の会」に、その経緯や活用方法を聞きました。

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カラス被害や人が巣を落としたり

毎年4月ごろから、ツバメが巣を作ったという話を聞くことがあります。もし自分の家や勤め先など身近な場所にツバメが巣を作ったときはどう対応したらいいのでしょうか。

先日、SNSで「あなたもツバメ子育て応援団」というハンドブックの紹介が投稿され、話題になっていました。

長さ18.5センチ、幅10.5センチほどのハンドブック
長さ18.5センチ、幅10.5センチほどのハンドブック 出典: 朝日新聞社

今年90周年を迎えた自然保護団体である「日本野鳥の会」によると、ハンドブックは2013年5月に発行。その後、3回の改訂を経て、合計4万5000部が配布されています。

つくられたきっかけは、「消えゆくツバメを守ろう」というキャンペーンを実施したことだといいます。

以前から会には「ツバメを見かけなくなった」という声が数多く寄せられていたそうです。

実際、環境省の繁殖分布調査でもツバメが全国的に減少傾向であることがわかっています。また、石川県が1972年から実施している調査でも、開始当時から数が半減しているというデータがあるといいます。

ツバメのヒナたち
ツバメのヒナたち 出典: 朝日新聞社

減少の原因を把握するために、このキャンペーンで全国から「あなたの町のツバメ情報」を寄せてもらうアンケートをインターネットなどで実施し、8000件以上の情報が寄せられました。

アンケートからはツバメが減少傾向であること、その要因として天敵のカラスによる被害や、それに次いで人が巣を落としてしまう事例が多いことも明らかになりました。

そこで、「巣を落とさないで、子育てを見守り、応援してください」というメッセージを込めた「ツバメ子育て応援団」のハンドブックを制作することになったそうです。

近年、ツバメは減っている(ハンドブックから)
近年、ツバメは減っている(ハンドブックから) 出典: 朝日新聞社

フンの対処法や巣台の作り方

「子育て応援団」のハンドブックは、写真やグラフ、かわいいイラストを使って、どんな人でも手に取りやすい素朴なやさしさを感じるデザインにしたといいます。

ツバメの種類や生態、数が減少しているといった現状のほか、ヒナが巣から落ちているときの対処法や、巣が崩れないように補強する「巣台」の作り方、フン受けの設置などについての情報が載っています。

日本野鳥の会の担当者は「問い合わせの多いフンの処理や、ヒナを狙うカラスに困っている人が対処できるよう、簡単な方法を紹介しています」と話します。

「巣作りしやすいように板を張り付けた」「ご近所さんみんなで巣を見守っています」といった、実際に見守っている人たちの声も紹介されています。

ハンドブックにはフン受けの設置についての情報も
ハンドブックにはフン受けの設置についての情報も 出典: 朝日新聞社

担当者は「ツバメはほかの鳥類とは異なり、好んで人の生活圏内で繁殖をする鳥で、人間もその姿に昔から癒されてきました。数千kmの旅の末、たどり着いた日本で子育てがうまくいかないととても悲しいです。ハンドブックを見ていただき、ツバメたちが安心して子育てができるよう見守っていきましょう」と話しています。

「ツバメ子育て応援団」ハンドブックは、日本野鳥の会のホームページから申し込むと、誰でも無料でもらうことができます。

日本野鳥の会では1口1000円からの寄付を募っていて、寄付をするとかわいい野鳥のピンバッジがもらえます。

寄付金は、鳥類のモニタリング調査や野鳥に影響をあたえない自然エネルギー(風力発電、太陽光発電)の導入、野鳥と親しむハンドブックをつくるといった野鳥を守るための活動全般に使われています。

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