「張り込み」や「尾行」をし、隠された真実を調べる名探偵――小説やマンガ、アニメでは、そんなキャラクターが人気です。しかし、よく考えてみると、誰かを待ち伏せしたり、後を着いていったりというのは、現実世界で行ってOKなことなのでしょうか。普通の人がしてしまうと、問題がありそうですが……。
首都圏を中心に探偵業を行うリッツ探偵社(
https://ritztantei.com/ )代表の山村佳子さんに話を聞きました。実は、探偵の仕事は「法律でやっていいこと、やってはいけないことがしっかりと定められているので、安心していただきたいです」と言います。
「探偵業については『探偵業の業務の適正化に関する法律(探偵業法)』が2007年から施行されています。この探偵業法では、必要な規制を定めることにより、その業務の適正を図り、個人の権利利益の保護に資することが目的とされています」
法律の制定前、探偵社や興信所などの調査業では、依頼者との間で契約内容を巡るトラブルの増加や、違法な手段による調査、調査対象者の秘密を利用した恐喝など、業者による犯罪の発生や、不正な営業活動が後を絶ちませんでした。そのため、調査業を規制する初めての法律が制定されたのです。
この法律では、探偵業として行っていいことが明確に定められたのがポイントです。
探偵業務とは「他人の依頼を受けて、特定人の所在または行動についての情報であってその依頼にかかわるものを収集すること」を目的として、「面接による聞き込み、尾行、張り込み、その他、これらに類する方法により実地の調査を行い、その調査の結果を当該依頼者に報告する」ものとされました。
つまり、探偵業を営む者であれば、「聞き込み、尾行、張り込み、その他、これらに類する方法」で調査をしてよい、ということになります。