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「新人扱い」される女性の上司…身近にもある〝マンスプレイニング〟
man(男性)とexplaining(説明)を合わせた造語です
女性に求められているわけではないのに、男性が〝上から目線〟で一方的に説明をする「マンスプレイニング」。man(男性)とexplaining(説明)を合わせた造語で、根底には「女性は無知だ」といった偏見や、ジェンダーに基づく差別構造があると言われています。
トランスジェンダーであることを公表している哲学者の三木那由他(なゆた)さんは、朝日新聞の記事で次のように問題提起しています。
「マンスプレイニング」をテーマに意見を募集したところ、「他人がマンスプレイニングをしている(されている)のを見聞きしたことがある」という人たちからも多くの考えが寄せられました。
職場の上司が女性なのですが、取引先からまるで新人のような扱いをされるのをたまに見ます。
仕事の愚痴を軽くもらしたら「今の仕事が嫌ならうちにおいでよ(笑)」と誘われたと笑ってました。
その女性は部長職なので、「部長待遇ですか?」と聞いたら相手の顔から笑いが消えたそうです。
女性というだけでヒラ社員扱いされるのはもう慣れたと言っていましたが、身近にそういうことがあるんだと驚きました。(神奈川県・50代男性)
数十年前までは「女の言うことは聞かない」と明言する男性がチラホラいましたが、最近は表立ってはいなくなったように感じます。
しかし、上から目線で女性に「教えてあげたい」という男性(善意のつもりの無神経)はまだまだ多いようです。
メディアに登場する「解説者」「コメンテーター」等に、もっと女性が増えていけば、女性が「教える側」となることに違和感を覚えない人も増えると思います。(千葉県・60代女性)
マンスプレイニングは、確かに問題のある行為です。その根底にあるのは、女性に対する偏見や無知の観念、ジェンダーに基づく差別意識です。しかし、これは単なる男性側の一方的な押し付けだけの問題ではありません。
固定概念は男女双方に存在する可能性があり、女性から男性へのマンスプレイニング的な振る舞いも起こりえます。
重要なのは、相手の知識や経験を尊重し、対等な立場で対話することです。性別に関わらず、相手を平等な人間として扱い、謙虚な態度で話し合う必要があります。
相互理解と敬意を欠いていることに起因するこの問題は、男女を問わず、一方的な押し付けは控え、相手の意見を謙虚に聞く姿勢が不可欠です。(三重県・60代男性)
この言葉は相手が特定の分野に詳しくないと決めつけて見下すように知識をひけらかしたりすることがポイントなので、確かにそういう傾向は女性から男性に対してはあまり見られないだろうと思う。
こうした態度は男性同士のコミュニティで、年配者から若年者への方向に関しても見られる。
この構造が起こる場合、話者が聞く側の反応に関心を持っていない、あるいは反応に気づかない。または、自分が気持ちよく話すことができればよい、ということを示しており、要はコミュニケーション力の欠如なのだろうと思う。(埼玉県・40代男性)
以前、新聞の相談コーナーで初めてマンスプレイニングという言葉を知った時、まさしく私の両親のことだと思いました。
(父親に)1聞けば10返ってくる。「お前はこんな常識も知らないのか」という話し方でした。
現代の男性にはあまり見られないと思うので、女性が見下される時代は終わりに向かってるのでは、と思います。(北海道・40代女性)
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