SNSで大阪・舞洲の清掃工場が「全てを焼き尽くす大阪のカラフル焼却炉」として話題になりました。「全てを焼き尽くす」わけではありませんが、とてもカラフルでユニークなデザインが特徴で、「世界一美しい」と評されることもあり、観光地化しています。どんな経緯で建設されたものなのか、取材しました。( #ふしぎなたてもの 取材班)
X(旧Twitter)で「全てを焼き尽くす大阪のカラフル焼却炉」として話題になったのが、大阪広域環境施設組合が管理する舞洲工場。
もちろん「全てを焼き尽くす」わけではありませんが、とてもカラフルでユニークなデザインが特徴で、「世界一美しいゴミ処理場」と評されることもあります。
空に輝く“黄金のタマネギ”が先端についた煙突の高さは地上120m。地上7階・一部地下2階建で、1日のゴミの最大の焼却量は900トンに及ぶ、巨大な施設です。
デザインしたのは、オーストリアの芸術家である故フリーデンスライヒ・フンデルトバッサーさん。
同組合によれば、テーマは「技術と環境と芸術の調和」。自然界に存在しない直線は避け、曲線を多用しています。
壁面の赤と黄色のストライプは、工場内で燃焼する炎をイメージ。ちなみに、500以上ある特徴的な窓の意匠のうち本物は130ほどで、残りは窓としては使用できない飾りだそうです。
大阪市が2001年に建設、2015年に他の清掃工場とともに、同組合へ移管されました。
奇抜な外観が目を引き、建設当初は近くのユニバーサル・スタジオ・ジャパンと勘違いして訪れる人もいたと言います。
今では年間約8600人が見学に訪れる「観光名所」で、3割は海外からの訪問。外観だけでなく、予約すれば内部を個人が見学することも可能。「世界一美しいゴミ処理場」が、思わぬインバウンド効果を発揮しています。